ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人類滅亡リモコン/悪の支配の下で ( No.333 )
- 日時: 2010/03/03 22:27
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PwsOoYFR)
第五話 誕生パーティー
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四月十日。リーダーに子供ができた。そいつが玲菜だ。
玲菜が生まれた日、本部では盛大なパーティーが行われた。……俺はこんなバ..カ騒ぎは嫌いなんだが。
そのパーティーで当時のリーダーはスピーチをした。
「諸君、私の娘の玲菜をよろしく頼む。玲菜は将来、とてつもなく優れたリーダーになるだろう。そうなるためにも玲菜を支えてくれ」
他人に自分の子供の事をそこまで言うか? ただの自慢にしか俺は聞こえなかった。
「人類滅亡リモコンを使用する日は、玲菜の十四歳の誕生日にしようと思っている。二千九十年はDARK GODにとって記念すべき日になるだろう」
俺はそれを聞いて驚いた。なぜなら俺はその時、人類滅亡リモコンの存在を知らなかったからだ。
……ということは、十四年後に人類は終わるのか。だが、そう簡単に人類が終わっても困る。だから、いずれDARK GODは何者かに倒..されるのではないか。だが、警察でもDARK GODを倒..すことは出来ない。なら、誰がDARK GODを倒すのだろうか?
誰がDARK GODを倒..すかは想像できなかったが、DARK GODはいずれ何者かに倒..されるかもしれないと思っていた。
「だが、この事は新聞社やテレビ局には黙っておくように。我々に対する反逆者を出さないようにするためだ」
ところが、約十三年後に、新聞社やテレビ局にそれがバレてしまう。杏江は、新聞かテレビか分からないが、その情報を見てDARK GODに立ち向かったのだろう。親友がリーダーだと知らずに。
……リーダーのスピーチが終わると、俺はこっそりパーティーを抜け出そうとした。が、俺より年上の女にそれを見られていた。
「赤峰君、どうしたんだろ」
「リーダーがせっかく開いて下さったパーティーなのに。リーダーにこの事、言いつけちゃおうかしら」
「止めてよー。赤峰君可愛いじゃん、あたし、彼の事、好.きよ」
「だめ、あたし、赤峰君狙.ってたのに」
脱走中だということはバレたが、まあ、見ていたのがそんな奴等だったから助かった。俺は、いかにも恋する女って感じの女子が嫌いだが、まさか、そいつらに救われるとは。
……が、そう簡単には安心出来なかった。右手を何者かに掴まれたのだ。
「赤峰君……でしょ」
俺の手を掴んだのは……中学の時の同級生だった。
「早泉……?」
「あら、覚えててくれたの?」
早泉 めり。そいつは、俺の学年の中でも自己..中心的な奴だった。PINK HEARTの社長の娘のように。
……正直、逃げたかった。そいつから。
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