ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人類滅亡リモコン/悪の支配の下で ( No.339 )
- 日時: 2010/03/05 22:46
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PwsOoYFR)
第七話 薬の効果
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「真喜男」
……何者かが俺を呼んでいる。
目を覚ますと、見覚えがないガキがいた。日本人のようだが、英語を喋っている。誰だ、こいつは。
「玲菜ちゃん、そこに行っちゃだめだよ」
「だって、真喜男が起きてるんだもん、ジェイコブ」
「あ、赤峰が……?」
こいつが、玲菜——? 赤..ん坊ではなかったのか?
しかも、ジェイコブの様子が前と違っていた。
俺は、頭が.おか.しくなってしまったのだろうか?
「赤峰、四年間も寝ててどうしたんだ?」
四年間だと……? 最近の出来事はDG—00を服用したことしか覚えていない。俺は、薬の副作用で四年も寝ていたのだろうか。
「DG—00を飲んだ」
「何だって? それならリーダーに報告しなければ。赤峰も来い」
俺らは、リーダーの部屋へ行こうとした。
「ねえ、ジェイコブ、私も着いて行ってもいいよね?」
「もちろんさ」
ジェイコブは相当玲菜に好かれているようだ。玲菜は嬉しそうにジェイコブに着いて行った。
リーダーから薬の正体を聞かなければならない。あれは、何の薬だったのだろうか。
「……それは、一定時間、人を眠らせる薬だ」
リーダーがそう言った途端、何故かリーダーの姿が黒くなった。
「リーダーが……黒く見える」
俺がこう言うと、リーダーは笑いながらこう言った。
「……まあ成功だな」
「は?」
「実は、DG—00は嘘を見破る薬だ」
やっとDG—00の正体が分かった。あれは嘘をついた奴を見つけるための薬だったのだ。
「だが、服用した後に四年間寝てしまうという副作用は何とかしなければならない。何とか研究部に副作用が出ないDG—00を開発させなければ」
リーダーはいつか、DG—00を服用するだろう——。俺は、そう思った。
玲菜は、リーダーの目の前でジェイコブに甘えていた。
後ろを見ると、恨.めしそうに玲菜を見ている奴がいた。……そいつは、雑用係のソフィアだった。
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