ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 人類滅亡リモコン/悪の支配の下で ( No.360 )
日時: 2010/03/10 22:29
名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PwsOoYFR)

第九話 ソフィアの.死
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 ソフィアがリーダーの朝食に毒.薬(実際にはDG—00なんだが)を入れたということはDARK GODメンバー全員に知らされた。
 玲菜が父親の.死.を悼.んでいる時、幹部がこう言った。

「貴方が次のリーダーです。だから、ソフィアを.消..してしまいましょう」

 玲菜は黙って頷いた。
 ……この時から、玲菜の性格は残酷になり始めた。

 そして、すぐにソフィアは捕らえられ.毒..ガス室に入れられた。

「玲菜! あんたなんか民衆にやら.れてしまえばいいわ——」

 これが、ソフィアが最後に発した言葉だった。……まさか、この言葉が将来に実現するとは、この時、誰も思っていなかっただろう。
 ソフィアの.呪..いなのだろうか。二千九十年にDARK GODが.潰.されたのは。

 ソフィアが倒.れても、雑用係はいつも通り働いていた。
 俺が雑用係の職場に入ると、俺に泣きついた奴がいた。
 路白 聖歌。優しい奴だ。リーダーからも歌が上手いと言われている。

「あ……赤峰さん、ソフィアさんが……」

 やっぱりソフィアの事を気にしていたのか。
 雑用係には、ソフィアがどうして終.身刑になったか知らされていない。だが、聖歌にとってはソフィアはかけがえのない仲間だったのだろう。
 同じ雑用係として。

「あいつは、リーダーを毒.薬で暗.殺..しようとした。だが、それは毒.薬ではなくDG—00という副作用が激しい薬だったのだが。それを飲むと心.臓.が止まるが、リーダーは死..んではいない。だが、リーダーは幹部達の手で誤って.葬..られた。まあ、ソフィアは暗.殺..未遂をしたから、終..身刑を逃れる事が出来なかったが」
「そんな……でも、勇気がある人だったのですね、ソフィアさんって」
「ああ、あんなに勇気がある雑用係は他にはいない」

 もう一人、落ち込んでいる奴がいた。
 美空 淳也。超能力者だ。そいつを雑用係にしておくのはもったいないと思うのだが……。

「お前もソフィアの事で落ち込んでいるのか」
「当たり前だよ、悲しくないの? 赤峰さんは」

 俺も悲しい。
 リーダーを倒.す勇気など、俺にはない。あいつは、偉大な奴だった。あいつにとっては、玲菜からジェイコブを奪.い返すことだけが目的だったのだが。人類の中で、初めてリーダーを倒.そうとした奴なのだ。
 こんな大した奴が終.身刑になるのは、悲しかった。……表情には、出さないが。
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