ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 人類滅亡リモコン/悪の支配の下で ( No.365 )
日時: 2010/03/12 22:23
名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PwsOoYFR)

第十話 DG—01
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 ソフィアの.死..後、新しい薬であるDG—01が開発された。
 DARK GODメンバーの一人である音無 湊々が、昨日服用したようだ。
 音無は、俺のように眠ることはなかったが、キレやすくなっていた。副作用だ。
 音無は普段は感情の起伏が少ないのだが、その日は違った。

「そこ、サボるな! ブッ.飛.ばすぞ!」

 彼は雑用係相手にキレていた。食器を何枚も割っている。当時の音無以上に雑用係にキレるDARK GODメンバーなどいなかった。
 何だ、この薬は。人を.狂..わせるための薬なのか?
 ところが、俺はあることに気がついた。それは、音無が食器を片手で割っていたことだ。……そうか、あれは攻撃力を高める薬なのか。

「赤峰さん、音無さんの様子が.変.ですよね。DG—01を飲んだからでしょうか」

 俺にそう言ったのは、同僚の東野 時雨だった。
 彼女は、神社の巫女をしているから、もうすぐ日本に戻るようだ。そして、日本の基地で過ごすらしい。

「そうだな。DARK GODが作る薬だ、ましな物は無い。必ず副作用がある」
「そうですよね……赤峰さんは確かDG—00を飲んだのですよね、四年間も寝ていたって他の人から聞きました」
「そうか、そうか」

 やっぱり俺がDG—00を飲んだということは同僚に知られているようだ。

「でも、赤峰さんが飲んだのがDG—01じゃなくて良かったです。赤峰さんが凶.暴.になったら皆が困るので」
「何だと? 俺は中学の時はかなり凶.暴.だったぜ。過去に何人.怪.我させてきたことか」
「そうなんですか……意外です」

 そんなに意外か?
 まあ、俺はほとんど一人でいるから、周りからは大人しそうに見えたのかもしれないが……。

その日から十日後、やっと音無の性格は元に戻った。
 音無の性格が元に戻った日と同じ日に、俺は幹部に命令された。

「……あの、僕に何の用でしょうか」

 幹部に昇進したジェイコブに聞いた。ジェイコブを幹部に昇進させたのは、玲菜だ。幹部には、敬語で話さなくてはならないのだ。たとえ相手が同級生でも。

「リーダーの遺.言を知っているか? 『玲菜を東京の学校で勉強させてくれ』と、リーダーはお.亡.くなりになる前に言った。だから、日本人であるお前に東京に行ってほしいんだ。東京で玲菜ちゃんに日本語を教えてほしい。出発は明後日だ」
「……分かりました」

 本当は、日本に戻るのは嫌だった。しかし、幹部の命令は絶対だ。俺は、玲菜に日本語を教えることになってしまった。
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