ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人類滅亡リモコン/悪の支配の下で ( No.374 )
- 日時: 2010/03/14 21:47
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: .XV6mGg/)
第十一話 トラ.ウマ
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俺は、憂.鬱だった。
日本は、嫌いだ。俺の出身国であり、また、俺が一番嫌いな国である。
日本には親がいる。あいつらと目を合わせるのは、もう嫌なのだ。二度と会いたくない。俺を.殴.りやがった親が、憎.い。
俺は、ガキの頃から、親にこう言われていた。
「真喜男、お前は沢山勉強して、父さんと同じように最高裁.判.官になれ」
俺は人を裁.きたくない。裁.く相手は俺と同じ人間だ。死.刑.判決など、言い渡したくない。だから、裁.判.官になるのは嫌だ——。
中三の時、親にそうやって反.抗して殴.られた。
「お前は成績優秀だ。オール五じゃないか。その実力を発揮しなくてどうする」
「俺の将来だ。お前に将来を決められたくねえんだよ」
成績優秀だから、裁.判.官になれ、だと? ふざけるんじゃねえよ。俺は、そう思っていた。
高校受験はしたが、問題用紙を白紙にしたまま提出した。だから、不.合格だった。
俺はかなり親に叱られ、
「真喜男、お前は、赤峰家の子供ではない」
と、言われた。
ざま.あみろ、これで俺は裁.判.官になることは出来ない。
ところが、親は諦.めなかった。
「浪.人して、高校受験しなさい」
そう言われて、無理.矢理受験勉強をやらされた。
俺は、中学卒業後、親がいない間に家を出た。そして、DARK GODの秘密基地に行ったのだ。
親は、俺を探しているかもしれない。だが、もう、戻りたくなかったのだ。
日本には。
「真喜男先生、何で悲しそうなの?」
玲菜は、俺にそう言った。奴は、俺が日本語を教えるという事を知っているらしい。
「……」
「どうして悲しそうなの……?」
「何でもねえよ。ジェイコブとでも遊んでこい」
玲菜には、俺の感情が分かるらしい。
「真喜男先生、いつもと違うよ」
「……いいから、ジェイコブと遊んでこい」
玲菜は、何も言わずにジェイコブのそばまで走った。
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