ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人類滅亡リモコン/悪の支配の下で ( No.393 )
- 日時: 2010/03/23 11:49
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: kzK7vPH9)
第十六話 黒名の薬
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黒名は、DG—03で玲菜に服従するようになってしまった。
「一応、夢歌ちゃんは私に従うようにはなったけど、私に逆らってもらっては困るわ……子供になってもらいましょうか。大人って、勝手だもの」
玲菜はそんな理由で黒名に若返りの薬を作らせたのだ。そして、それを黒名に飲ませた。その若返りの薬を、俺らはDY—00(ディーワイゼロゼロ)と呼ぶ。DY—00のDYとは、「DARK GODの夢歌」の略だ。
なぜその薬をDG—04としなかったかというと、DARK GOD研究部の作る薬は副作用があるが、黒名が作る薬には副作用がほとんどないからだ。
ところが、黒名の作る薬には、難点がある。それは、薬が効く期限があることだ。だから、黒名は一定の時間がたつと大人に戻る。
玲菜は、黒名の薬の難点を知ると、黒名にDY—00を大量生産させた。そして、三十歳以上のメンバーにそれを飲ませた。
「大人に勝手な事をされては困りますもの」
玲菜は、よくそう言っていた。まあ、かなり勇気がある奴ではない限り、玲菜に逆らう奴はいないと思うが……。
玲菜は、反逆者を心から憎んだ。自分に服従しない者は許せないのだ。玲菜は自分の部下を逮.捕した警察官を探し出して、処.刑した。だから、警察官も玲菜には逆らう事が出来なくなってしまった。
玲菜に逆らったガ.キは、警察官以上に勇気があったのだ。
その日から二年経つと、黒名はDY—01を作り出した。それは、予知能力の薬だ。
玲菜はそれを自分では飲まず、黒名に飲ませた。すると、黒名の表情が険しくなった。
「リーダー!」
「どうしたの、夢歌ちゃん」
「二年後……反逆者が活動します。彼らは今、小学生です。DARK GODに危機が訪れます」
玲菜は、その事を信じなかった。DARK GODに危機が訪れる事など、考えられなかったのだろう。
「今、反逆者は小学生なのでしょう? 大丈夫よ、子供なんかに.潰.される組織ではないわ、DARK GODは」
「でも、彼らは強力です。今のうちに処.刑.しておく事をお勧めします」
この時、玲菜の表情は険しくなった。
危険な芽は摘.み取ってしまわなければ、と思ったのだろう。
「で……その反逆者の名前は?」
「北濃 奈央土です」
「それなら、今すぐそいつを捕まえなさい! いいわね!」
奈央土は、あっさり捕まってしまった。あの野.郎、授業中に運動場にいたようだ。
奈央土が東京に着いた時、俺はこう思った。
「俺の出番だな」
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