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Re: 人・類・滅・亡・リモコン ( No.40 )
日時: 2009/12/30 15:51
名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PQvy21Xz)

第八話 世界を滅ぼす者
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 フフフ……とうとう立ち上がったのね。世界を滅ぼそうとしたのは、この私だけど……。このリモコン一つで滅びてしまうの。そして、私はリモコンのボタンを押すだけで破.壊の女神となる。でも、今すぐ押しても面白くないから、まだ押さないでおいてあげる。

「もうすぐ人類滅亡……4月10日までに何をする?」

 今、そんなテレビ番組をやっている。もう、世界は私の物になってしまっているわね。この世界には王様や貴族、お嬢様がいるけれど、世界はそんなお金持ちの物じゃないわ。いま、こうして全人類をもてあそんでいる、私のもの。誰もが人類滅亡におびえている。

「リーダー、貴方の計画を阻止しようと中学生が立ち上がったらしいです」
「知ってるわ。でも、相手は中学生。私より弱.いはずよ」

 明日原 香里ちゃんを中心に動いた組織らしいけど、私達の強さを見れば、泣いて帰るはずよ。何より、私の前でくた..ばってくれればいいんだけどね。中心である香里ちゃんの命が一番欲しいわ。

「もうすぐ人類滅亡ですね。貴方は何をする予定ですか?」
「僕は、まず家族と旅行に行きます」
「行き先は……」
「アメリカのロサンゼルスです」

 テレビで三十代ぐらいの会社員が答えている。多分誰かの父親なんだろう。でも、私のお父さんはもう天国にいるからね……お父さんは元リーダーだった。そして、私にこのリモコンを預けた。お父さんが「DARK GOD」をここまで発展させてくれた。お父さんのその武勇伝はメンバーの誰もが知っている。香里ちゃん達もあのテレビのおじさんみたいに大人しくしていればいいのにね……。

「リーダー。ところで、4月10日はどうするのですか?」
「ええ、今、外国の優秀な研究員にカプセルと人口惑星Xを作らせているの。だから、その日には『DARK GOD』のメンバーと私の大事な人だけカプセルに逃げ込み、生き残る。そして、地球と全く同じ環境である人口惑星Xに移動する。つまり、幹部である貴方も私も生き残るのよ」
「あ……ありがとうございます、リーダー!」

 幹部は、泣きながら私に感謝した。いずれにせよ、香里ちゃん……貴方は生き残れないわよ。その仲間もね。
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