ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人類滅亡リモコン/悪の支配の下で ( No.400 )
- 日時: 2010/03/24 13:03
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: kzK7vPH9)
第十七話 救出
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「真喜男先生は反逆者の見張りをして。元々は雑用係の見張りだったのでしょう?」
玲菜にこう言われた時、残念だな、他の奴を見張りにしておけば良かったものの、と思った。
俺がアメリアを逃がしたことは、リーダーにバレていなかったのだ。
奈央土がいる牢屋に行くと、奈央土は落ち着いた様子だった。
「お前……どこから来た?」
何となく、訊いてみた。
「福岡だよ。それがどうした」
奈央土は、下を見ながら答えた。俺に目を合わせようとしない。
「お前、授業サボっていたって聞いたぞ。先.公から逃げたって、大したモンだ」
「……まあ、授業聞く気にならなかっただけだ」
こいつは、勇気がある奴だと思った。なかなかいい奴だ。
「……お前の事が気に入った。この組織を倒.そうとした事が。……助けてやろう」
しかし、奈央土は、こう言った。
「嘘つきやがって。DARK GODの人間がやることだ」
「DARK GODの人間は全員残.酷だと思うか? そう思うのなら、死.刑を待つしかねえな。だが、悔しくないのか? 死.刑にされるのが」
俺は、そう言ってここから出ようとした。
ところが、奈央土は俺を呼び止めた。
「……ごめん、待ってくれ。お前を信じてみる」
「そうか、そうか」
俺は、牢.屋の鍵を開けた。
だが、奈央土は不安そうにこう言った。
「おい、バレたらどうするんだよ」
「バレる訳ねえよ。お前がこの中に長時間入っている勇気があるのなら」
「でも……これ、黒いトランクじゃねえか、おっさん」
あいつにとっては俺はおっさんなのかよ。これでも俺は二十六歳なのだが。
「福岡に帰るか? それとも、.死.ぬか?」
「……なら、俺、入る」
奈央土は長時間トランクの中にいた。飛行機で福岡空港に着くと、トランクを開けた。
「着いたよ、ガ.キ」
「……でも、おっさん、DARK GODを裏.切ってもいいのか? リーダーにバレたら.死.刑じゃないのか?」
「俺は.死.刑を恐れない。DARK GODをいつか裏.切ろうと思っていた所だ。そんじゃあ、あばよ」
俺はこう言って、奈央土と別れた。
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