ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人・類・滅・亡・リモコン ( No.85 )
- 日時: 2010/01/03 11:22
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PQvy21Xz)
第十八話 いなくなった友人
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あたしがいつも通りにテレビをつけると、衝撃的なニュースが流れていた。
「東京都に住む秋野 玲菜さんが行方不明になりました」
れ……玲菜が?
「杏江、香里ちゃんから電話よ」
「今行く……」
あたしは急いで受話器を取った。
「香里……?」
「玲菜がDARK GODに捕まったのは知っているよね?」
「知ってる」
「杏江も気をつけて」
「うん……」
後で玲菜に電話してみた。
「玲菜?」
「お前か。秋野 玲菜って奴の友達は」
「杏江、助けて!」
微かに玲菜の叫び声が聞こえた。
「うる.せー! 黙.って俺の言う事を聞け!」
やっぱりDARK GODの仕業だった。
パソコンを立ち上げると、メールが来ていた。
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FROM:奈央土
秋野 玲菜って奴……モモエの友達か? さっきニュースで見たんだが。
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玲菜は……あたしにとってかけがえのない友達だった。幼馴染だった。でも、DARK GODに捕まったから……もう玲菜は死.んでいるかもしれない。
どうしよう。玲菜が死.んでいたら。もう、会えないのかもしれない。
——玲菜と喋るのは、今日が最後だったの? もっと喋りたかったよ。
暫くは体が動かなかった。……あたしの気持ちが不安定だったから。
暫くすると、またメールが来た。
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FROM:奈央土
まさか、玲菜の事、死.んでいると思ってるのか? そんなの分からないだろう。実は俺の後輩はDARK GODにさらわれた。でも、俺はその後輩を助けに行く。その後輩が死.んでいても、だ。生きているかもしれないんだ。死.んでいるとか決めつけるな。辛いだろう?
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電話では、確かに玲菜の声が聞こえた。もしかしたら奈央土さんの言う通り、玲菜は生きているかもしれない。玲菜、決めたよ。香里達と一緒に本部まで行くから、生きて待っていて——約束だよ。
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