ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人・類・滅・亡・リモコン ( No.95 )
- 日時: 2010/01/03 17:54
- 名前: 唄子 ◆pHAblsSAME (ID: PQvy21Xz)
第二十四話 別れた友人達
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FROM:奈央土
明日原 香里って奴、杏江の友達か?
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香里……まさか、奈央土さんに会ったの? あたしは、急いで香里にメールした。しかし、回線が混み合っており、なかなか香里に届かなかった。また、香里にしては珍しく、返事が遅かった。
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FROM:香里
まあ、竹藤 治人って仮名使ってたけどね。杏江、日本での生活はどう?
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引っ越し先は、アメリカだ。まだ指名手配のポスターが貼られていないからである。皆は、それぞれ違う国に行ってしまった。杏はイギリス、真子はドイツ、優子は中国、美沙都はフランスだ。そして、玲菜がいるはずの国に、あたしが行く予定だ。
「杏江、電話よ」
「うん、今出る」
電話に出ると、その声は……。
「杏江……」
「れ、玲菜?」
間違いなく、玲菜の声だった。声が震えているが。
「でも、玲菜ってDARK GODに捕らわれているんじゃないの?」
「そうだけど、こっそり本部内の電話を使っているの。下っ端の目を盗.んでね」
「良かった……玲菜が生きてて」
「でも、今はDARK GOD本部の雑用係として働かされていて……。リーダーに逆らったら死.んじゃうの」
「大丈夫、香里達と一緒に助けてあげるから」
「ありがとう、嬉しい……」
「ところで、リーダーに会ったの?」
「……直接は会っていないけど、とにかく怖い」
玲菜の今の生活を想像すると、ゾッとした。
「ごめん、今、下っ端を見たから……」
玲菜はそう言って電話を切った。玲菜はこき使われる生活でも、頑張って生きているんだな、と思った。……あたしも早く玲菜を楽にしてあげなくちゃ。
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