ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Rea lized ( No.1 )
日時: 2009/10/12 04:38
名前: 紅羅 (ID: INwilZwH)

<第1話>
-たいやきと美少女-


ただ走っていた。あてもなく。街のなかを。

親友と喧嘩したから。些細な事で。

それは15分前の事。

「なー、翔ぅー」

「んー?」

親友、一希の家でゲームしながら始まった喧嘩。

「お前、タイヤキ喰うとき頭から?尻尾から?」

「ぜったい頭」

「はぁ?普通、尻尾だろっ?」

「お前、アタマオカシーンジャネェ?頭だろ」

「いいや、絶対尻尾っ!!」

それが段々エスカレートしていっただけ。

本当に些細な事。

だけど、そのときは頭に血がのぼってた。

今は反省してる。

だけど自分から謝るのはカッコ悪いじゃん?

あ、今なにその幼っちいプライドとか思ってないよね?

別にいいんだけどさ……

「前髪ちょんまげ。」

可愛らしいロリ声が耳に入った。

前髪ちょんまげ…?

そりゃ、俺は前髪くくってるげどさ。

「何々?俺の事ですかぃ?」

と、振り向いた。

すると、身長140cmあるかないか位の眼帯ポニテ少女が居たぁぁぁあっ!

「おぅ。お前のことだ。」

少し偉そうなしゃべり方。なにこの仔。

萌えるじゃないかww

「んーで、俺に何の用ですか?」

初対面だし、ね?

一応敬語で。

「僕の名前は羽輝。13才。」

へぇー。13なんだ。もっと小さいかと思った。

「俺は空「言わなくていい。しってるから。」

俺がしゃべりかけたとたん口をはさむ。

知ってるってなにさ。このカワイ仔ちゃんストーカーか何か?

「お前は空利翔。中2、14才だろ?」

おぉ。わかってるじゃねぇか。

「ちなみに、こいつが原因で喧嘩した。そうだろ?」

そう言って美少女は紙袋を俺に差し出した。

それをうけとってあけてみると、アツアツのタイヤキ君が入っていた。

なぜこの仔は喧嘩した所までしってんだよ。

タイヤキの事だって。

「ちなみに僕も頭から食べる派だ。」

あ、俺と同じなのね。頭なのね。

「……これ食っていいの?」

せっかくのアツアツたいやき君だしさ。

食わねぇともったいないし。

「別にかまわないが、僕にもわけろよ。」

話を聞くのはたいやきを平らげてからでもおそくないだろう。