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Re: 空からの奇跡 〜雨と満月〜 ( No.5 )
日時: 2009/10/15 18:39
名前: ヒミツ ◆wg3PxHsSAM (ID: 3L0NyJ0C)

〜第3話「楽にしてあげましょうか?」〜
コツ コツ コツ
満月の夜、ブーツで歩く音が、人通りの少ない道にひびきます

「はぁ‥すっかり遅くなっちゃった」
声の主は、志都美さん
どうやら、塾の帰りのようです
「つかれたなぁ」

すると、突然
「楽にしてあげましょうか?」
横から声かします
「わっ!!だれ?」
となりには、女の子がいました
「私?わたしは‥ そんなのどうでもいいでしょ! それより、楽にしてあげましょうか?」
「え‥どうでもよくないような気が‥まっいっか! あと、その格好は何?」
その女の子は、まるで死神のような服に、カマを2本持っていました
「え‥この格好?この格好は、満月の夜にしか収穫できない物を収穫するため」
「何を収穫するの?」
「聞きたい?」
「うん!!」
「じゃあ言うよ 人間」
「え‥」
「覚悟してね」
すると、女の子はカマを両手に持ち、おそいかかって来ました
志都美の首をめがけて—

「なかなか切れないのね 首って 骨があるから切れないのかな?」
「や‥めて お願‥い」
「いや」
ゴロン
「収穫完了!ほら、楽になったでしょう?」

女の子の顔が、月に照らされました
その顔には、見覚えがあると思います
なぜなら、その顔は—

        笑子だからです
 
そして‥

   いつの間にか、雨が降っていました

−死のこんせきは、消されたのです−