ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

3非日常 ( No.3 )
日時: 2009/10/14 21:10
名前: 仲矢真由乃 (ID: F.VKszn7)

「で? まだやるなら付き合うぞ? 命の保証はしないが」

スバルが不敵に笑い、男達はそれぞれお互いの顔を見合わせる。流石に戦意喪失してしまったようだ。

「か……勘弁してくれ」
「そうか。一つ聞くが、今までこのやり方で殺した人数は?」
「ま、まだない。初めてだ」
「本当だな?」

スバルが鋭い眼光で射竦めると、会話していた男がおびえたようにこくこくと頷く。嘘をついているようには思えないので、スバルは一瞬視線を和らげた。だが、再び強めた後に男達へと口を開く。

「分かった。今回は処罰はなしにしておくが、金輪際こんな事をするなよ。したら分かってるな?」
「あ、ああ……」
「だとさ」
「良かった—。あ、ついでに聞くけどここから城までの道とか知りませんー?」
「ここで聞くのか」
「だって良い機会じゃん」

へらへらと笑いながら、カズキが質問を投げかける。

「知らねえけど……レリィなら知ってるかもしれない」
「レリィ?」
「そこの路地裏を入ったすぐにある依頼屋のメンバーだ。腕は確かだぜ」
「はーい、ありがとうございますー」

命を狙われた張本人達に礼を言うのもどうかと思ったが、スバルは口には出さなかった。