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Re: —推理系小説 (思いつきしだい更新) ( No.2 )
日時: 2009/10/13 19:03
名前: 三月 ◆ON9SOHMYUg (ID: 2N4onKWr)

01


「うわぁ!! もうこんな時間じゃん!! なんで起こしてくれなかったの!?」

あたしはパジャマ姿のまま、弟の来知に問いかけた。

「だって奈紋、起きないんだもん。枕の隣で大音量で目覚まし時計が鳴ってんのに、無意識に手で止めてるし」
「そーゆー時は気を使って、あたしのこと叩き起こしてよぉ!あぁ、朝練終わる時間じゃーんッ!!」
「HAHAHA・・チャリで飛ばせば、ぎりぎり大丈夫なんじゃないの?」

あたしは、来知の言葉を無視して、いそいで制服に着替えた。
どうせ、今から朝練にいったって間に合わない。朝の校内挨拶当番にだっていけないし。
遅刻って実感もないし…もう、来知と一緒でもいいと思った。

「あー・・もう、これじゃあ間に合わないよ。あたし、諦めるわ」

こう言いながらも、自分なりに急いで朝食を食べ終え、髪を梳かした。
来知をチラッと横目で見る。いつもと同じ来知だ。肩ギリギリまで伸びた髪を振り払うような仕草をしながら、歯を磨いている。

「来知、いつ出る?」
「もう、すぐに行くよ。友達に宿題のプリントを見せてもらわなくちゃいけないから」
「そんくらい自分でやれよ・・あたしだって、期末テスト対策プリントから逃げ出したいんだから」
「べつに俺、勉強しなくたっていい点とれるし。奈紋とは違うからね」


・・・・・・・・・・・(怒)
まぁ、事実なんだよね・・来知は、いままで追試になったことないし、80点以下も採ったことない。

「じゃあ、いってきまーっす!」
「あ!待ってよ来知!! あたしも一緒に行く!!」

寝癖が完全に直っていないまま、あたしはカバンをもって駐輪場に向かった。
そこには来知がいて、カバンを座席のうしろにくくりつけていた。

「来知・・あんた、一年生のくせに、カバンつけんの早すぎ!」
「奈紋が遅いんだよ!俺、入学してからもう半年以上経ってるんだよ?これくらい当たり前だってば」

会話をしながら、フルスピードで自転車の用意をした。

準備ができて、あたしと来知は自転車を走らせた。
こうして、いつもと同じ道を通っていると、気付くことがたくさんある。
昨日まであったものが無くなっていたり、新しいものかあったり・・・
季節によって、知っている道でも、変化があるんだよね…


「きゃぁああぁあッッ!!」



       !?

聴きなれたような、高く、細くて鋭い声が聴こえた。

「来知・・今のって・・」
「聴いたことある・・たしか、近所の・・・」
「「江連さん家の、ミッチー(美智子)の声だ!」」


「来知、行こう!!」



あたしは、自転車を江連さん家に走らせた!
ギアを【1】にして、夢中になってこいだ。

————
江連さんの家について・・・
自転車を止めて、裏庭へと走った。
裏庭には、【EZURE】と書いてある車が止まっていた。
その陰に、ミッチーがいた。


「ミッチー!! ・・・あッ」
「奈紋・・これって・・・・・」


江連さん家の裏庭で、あたしたちが見たのは…

ミッチーの妹の・・・ミッキー(美紀子)の殺された姿だった。

「ミッチー・・なんで、ミッキーが・・?」
「わかんない・・今日の朝、美紀子が家を訪ねてきて・・それで〝畑の柿がほしい〟って言われたから、とりに行ってたら・・帰ったら、美紀子が・・こうなってて・・」

「ミッチー・・ちょっと、ここにいて!あたし、電話してくる!来知、ミッチーを頼んだ!」
「う、うん!!」


————これが、始まりだった・・・