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- Re: —推理系小説 (思いつきしだい更新)【2話更新!】 ( No.5 )
- 日時: 2009/10/14 18:26
- 名前: 三月 ◆ON9SOHMYUg (ID: 2N4onKWr)
03
「まず、現場を発見した時の状態を教えてくれるね?」
警察署に入ると、来知とは別々の小部屋にいれられた。
数分すると、さっきの金内さんが入ってきて、質問をしてきた。
「はい・・弟の来知と学校に行く途中、悲鳴が聴こえたんです。それで、自転車で悲鳴の聞こえた方に駆けつけてみたら・・江連 美智子さんが倒れていて、近くに江連 美紀子さんの死体があったんです」
「刃物とか、そういうものはあったのかな?」
「いえ・・分かりません。来知と死体を発見して、あたしはすぐに美智子さんの電話をかりて、警察に電話をかけたので・・刃物とか、そういうものは、あたしは見ませんでした。でも、もしかしたら来知が見ているかも・・」
金内さんは、少し黙り込んだあと、「待ってて」と言い、部屋を出て行った。
こんな証言でいいのかな・・?あたし、変なものとかは見かけなかったし・・来知がなにか知ってるといいけど・・
数分後、金内さんと来知が部屋に入ってきた。
「奈紋さんと、来知君・・だっけ?奈紋さんと来知君の証言は、一致しました。でも、刃物などの凶器は、二人とも見ていないんだね?実は、警察のほうでも、凶器はまだ発見されていないんだ」
「じゃあ、あたしたちの証言は、あってるんですよね?」
「あぁ、そうだね。ただ、二人の証言とは関係ないんだけど、一つだけ、分かったことがあるんだ」
金内さんは、じっとあたしたちの方を見た。
「江連 美智子さんに疑いがかかってしまうんだ」
「え・・なんで、美智子さんが・・?」
「二人は、悲鳴が聴こえた後、自転車で駆け付けたんだよね?じゃあ、その前、江連さんの家で、何があったか知っているかい?」
あたしは、来知の方を見た。
来知も、下を見て・・固まっている。
でも、来知の手は震えていて・・怒りに燃えているようだった。
「じゃあ、美智子さんが犯人扱いされるんですか!? そんなの、ヒドイ!ミッチーは、そんなことするような人じゃない!それに、妹なんだよ!? ミッチーが、妹のミッキーを、殺すわけない!! まず、殺すような理由がないじゃないか!!」
来知は、金内さんのほうを見て、訴えた。
それはまるで、本当にミッチーのことを守ろうとしているようだった。
「でもね・・それ以外、考えられないんだよ。江連 美智子さんなら、凶器を隠した後に悲鳴を上げて、目撃者を作ることだってできる。美智子さんが第一発見者だし、アリバイが無いんだよ」
そんな———・・・・
でも、ミッチーは・・そんなことする人じゃないのに・・・
本当の妹を、殺したりなんかするはずない!!
でも・・あたしたちには、それを証言することはできないんだ——・・