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Re: —推理系小説 (思いつきしだい更新)【3話更新!】 ( No.8 )
日時: 2009/10/17 10:38
名前: 三月 ◆ON9SOHMYUg (ID: Uk0b6ssr)

04


「じゃあ、今日はありがとう。事件解決に向けて、貴重な証言でした」
「いえ・・大丈夫です」

あたしたちは、署の小部屋に入ってから、2時間後に外に出された。
なんだか、とても長い時間を署の中で過ごしたような気がする。
・・・・・たったの2時間なのに————


「ねぇ、奈紋・・俺、ミッチーを犯人にされたくないよ・・」
「あたしだってそうだよ。ミッチーは、そんなことするような人じゃない。絶対、ミッチーは犯人じゃないよ。きっと、まだ知らない事実があるんだ」
「・・ッだよね!奈紋も、そう思うよね!!」

そう言う来知の顔にも、まだ曇りがあった。
きっと・・あたしも、同じだと思うけど・・・・



あたしは目を瞑って、上を向いて家まで帰った。
来知と、呼吸や歩く音を合わせながら・・・・
もう、どうでもいいような気がした。

家に帰ると、お母さんが出迎えてくれた。

「奈紋、来知!! 大丈夫だった!? ケガはない!?」
「お、俺は大丈夫だよ、お母さん・・」
「あたしたち、ただ警察署で証言してきただけだし・・心配しないでね」

そう言うと、お母さんはホッとしたように、顔に笑みを戻した。

「そういえば、もうすぐお昼ご飯の時間ね・・ねぇ、二人で、ちょっと卵とケチャップ買ってきてくれない?今日は、二人の大好きなオムライスにするから」
「え・・今から!? あたし、今帰ってきたばっかりなんだけど・・」
「ごめんね・・お母さん、これから先に、野菜炒めたりするから。ほら、近くにコンビニあるでしょ?そこで買ってきてくれればいいから。往復で5分もかからないでしょ?」
「分かった!俺と奈紋で、行ってくる」

あたしの代わりに、来知が返事した。
オムライスと聞いて、やる気が出たらしい。

・・もう!来知一人で行って来ればいいじゃん!


「おつりで、何か好きなもの買って良いから、お願いね」
「分かった!よし、奈紋、行こう!!」

・・・まったくもう!
来知、おやつ関係を買うために行くんじゃん!
しかたない・・あたしも、行ってこようかな。



———このときは 夢にも思っていなかった・・


 この行動のせいで・・・・

    この事件の容疑者が、また一人増えてしまうなんて———