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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 記憶…… ( No.4 )
- 日時: 2009/10/13 20:13
- 名前: 黒蝶 輝夜 ◆NC1AxUg.ec (ID: DrxGkANi)
- 参照: あ、俺「勇人」でもあるし、「紅」でもあるよww
01
「じゃあ行ってきます」
僕は静かに言った。
どうやらお母さんは僕が外にいるのを、気づいてないらしい。「行ってらっしゃい」の一言もない。
静かな朝の空に、鳥のチュンチュンという可愛らしい鳴き声が響く。
「鳥さん、死んじゃったね……」
知っている人の声がした。とても甘くて、鳥の鳴き声のような少女の声。
誰だろう、この声は誰の声だろう?
考える。脳味噌が痛い。
誰だ、誰なんだ……!
その瞬間、僕は思いだした。
佳代……!
後ろを振り返る。いるわけがないと、わかっていても。
一瞬、佳代の姿が見えたような気がした。
さらさらの真っ黒なショートカット、手につけているお洒落なシュシュ、白と焦げ茶のハイソックス、懐かしい佳代の姿が……。
でもこれは幻。ここに佳代はいないんだ。
胸が締め付けられたように痛い。
佳代のことをもう思いだしたくない!
僕は、走って学校に行った。
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