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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 監禁された天使 ( No.3 )
- 日時: 2009/10/16 16:54
- 名前: 銀の翼 ◆NC1AxUg.ec (ID: DrxGkANi)
- 参照: 銀の翼って名前、可笑しいかい?
prologue
母はもういないんだ。
「愚か者」とリオンが判断し、母をディスブレスに入れたのだ。
母は何も悪くない。私が悪いんだ。
なのに何故? 何故私ではなく、母をディスブレスに入れるんだ?
可笑しい。可笑しいんだ。母は何もしていない! なのに何故なんだ?
頭が痛い。何故私ではなく、母なんだ?
教えて、リオン! 何故母なの!? 私が悪いのよ!?
リオン! リオン! 母を返して! 返してよ!
私は毎日毎日、考え込み、苦しんだ。
そんなある日……。
いつものように、朝食を食べていた。
エッグサンドと、入れたてのいい香りがする珈琲を、少しずつ口の中に入れていく。
珈琲の香りと、エッグサンドの香ばしさが、母のことを忘れさせてくれた。
突然コンコンと、ドアをノックする音が耳に飛び込んでくる。
私はエッグサンドを口にほおばってから、ドアを開けた。
「はひ?」
私はエッグサンドを口の中で、噛み砕きながら、言った。
「ジズの娘、エルジュよ」
フルスの隊長の、ジョジウが叫ぶ。
「リオン様が、おまえを「愚か者」だと判断した!」
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