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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 監禁された天使 ( No.4 )
- 日時: 2009/10/22 17:53
- 名前: 銀の翼 ◆NC1AxUg.ec (ID: DrxGkANi)
- 参照: 銀の翼って名前、可笑しいかい?
01
ベシッ! ベシッ!
ただ私の背中を、皮の鞭で叩く音と、ジョジウの叫び声だけが、部屋に響く。
「さあ言え! なぜ国王陛下を殺そうとした!?」
ジョジウは私を鞭で叩き続けている。私は必死に耐えた。
口の中に、血の味が広がる。吐きそうだ!
「言え! 言うんだ! なぜ国王陛下を殺そうとした!? なぜ捕まるとわかって、殺そうとした!? さあ、言え!」
ジョジウが問い続ける。勿論、私に 何かを言う体力は無い。言いたくても言えないのだ。
ふと後ろを見てみる。
リオンが、私を冷たい目で見ている。目で「早く吐きなさい!」と言っているようだ。
「うぅっ!」
激痛が走る。何もできない。助けて! 助けてよ!
だが、ジョジウとリオンは私を助けようとしない。なぜなら、私が「愚か者」だからだ。「愚か者」を、助けてはならないのだ。
「ゲホッ、ゲホッ! っ……うぅっ!」
体が動かない。何も言えない。絶望としか、言えない状況だった。
助けて……!
私はそう、心の中で叫んだ。
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