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Re: *戦場のジュリエット ( No.12 )
日時: 2009/10/17 13:41
名前: ☆:.:苺羅:.:☆ ◆RP4/4zHHbo (ID: fQl/VR.0)
参照: 時は昭和の戦時中、暗黒の時代の中で一生懸命生きた少女が居た——by戦場のジュリエット

*04



 1944年。この頃、戦局はさらに悪化し、戦死者が増えたため兵力不足となった。

 そこで軍は、大学生を出陣させようと思ったのだ。

 それにより、大和はたった19歳で出陣することになった。

 私ももう、17歳。高等女学校をこの年で卒業する……。

 姉の花は18歳となった。緑介からは毎日のように手紙がやってくる。

 この頃から、都会の小学生は田舎へ疎開するようになった。

 私は集団で歩いていく、小学生を見つめていた。

 そのときである。サイレンの音が鳴り響いた。

 「空襲警報! 空襲警報! 住民の皆さんはただちに防空壕へ!」

 これをきいた私、花、春代、大和は防空壕へ逃げ出した。

 ドカンドカンと音がして、敵軍の飛行機から焼夷弾が落ちていく……。

 防空壕で隠れているとき、聞きなれた声がした。

 純也は凛子を守るようにして、抱きしめている。

 ズキッと胸が痛んだ。

 「凛子……凛子は俺が守るから」

 「怖いわ! 純也君……ありがとう」

 「お前達非常事態に何をしてるんだ!」

 そんなラブラブの2人をみて、大人は冷たい言葉をかけた。

 一瞬だけいい気味……って思った。

 「空襲警報解除! 空襲警報解除!」

 外が静まり返り、どうやら空襲警報も解除されたようだ。

 私は外に出ると、大和が私に問いかけてきた。

 「なぁ桜……お前ももう17だ。そろそろ嫁にいかないと、いけないだろ」

 「えっ……そうだけど、まだ……」

 結婚したくないなんていえなかった。

 この時代、女は高等女学校を卒業すると、お見合いをして結婚をするのが普通だった。

 例えそれが嫌な相手だったとしても……。