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Re: 戦場のジュリエット ( No.27 )
日時: 2009/10/21 11:39
名前: ☆:.:苺羅:.:☆ ◆RP4/4zHHbo (ID: fQl/VR.0)
参照: 時は昭和の戦時中、暗黒の時代の中で一生懸命生きた少女が居た——by戦場のジュリエット

*13—純也目線—


 俺は東京から徴兵された。

 特攻隊に志願したのだ。

 許嫁の凛子と、大好きな桜を残して……。

 桜が本当は悲しそうな顔をしていたのは、俺でもわかっていた。

 そして俺は出撃する少し前に、手紙を出した。

 その手紙の返事が、3日後に返ってきた。

 「二十純也さんへ
 お元気ですか? 私はいつも夏バテしております。
 突然ですが、お手紙ありがとうございます。
 実は、私もあなたのことが大好きでした。
 ずっとずっと想っていました。
 叶わない恋だと思っていました……。
 純也さんがそういってくれるのは、非常に嬉しいことです。
 ありがとう……お国のために頑張ってください

        桜より」

 俺はいつのまにか、その手紙に涙を落としていた。

 桜の傍に……ずっといたかった。

 でもこうしないと、俺の気持ちが壊れそうだ。

 さよなら……俺はもうすぐ逝くよ。

 俺は、装備をしていよいよ飛行機に乗ろうとするところだ。

 仲間はもう、飛行機に乗って突撃している。

 胸が高鳴ってきた……俺は今から死ぬんだ。

 死ぬ時って、どんな感じなんだろう?

 ……まぁそれも、今からわかることだ。

 俺は飛行機に乗っかった。

 ゆっくりと飛行機は上昇していく……。

 敵機が見えた。あれに突撃するらしい。

 俺は敵機に向かって、一直線に飛行機を操縦した。

 「桜————!」

 俺は愛しい人の名前を呼んで……桜の花びらの如く、散っていった……。

 さようなら、愛しい人よ、ありがとう。