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Re: *戦場のジュリエット ( No.7 )
日時: 2009/10/17 09:54
名前: ☆:.:苺羅:.:☆ ◆RP4/4zHHbo (ID: fQl/VR.0)
参照: 時は昭和の戦時中、暗黒の時代の中で一生懸命生きた少女が居た——by戦場のジュリエット

*01



 「いってきまーす!」

 1942年5月。私……千崎桜は高等女学校の3年生になった。

 今、日本は戦争をやっているようだが圧勝しているらしい。

 日本は神風が吹いて、外国との戦いにも勝利できるらしい。

 そんな日本はとっても誇らしいと思った。

 学校では戦争の事ばかり教えられてるけど、絶対日本は勝てる……そう信じてた。

 私の家庭は裕福とまではいかなかったが、一応人並みの生活は送れていた。
 
 普通の食事をとって、普通の服を着て、普通の生活をする庶民。

 そんな私も恋をしていた……。俯いていた顔をあげる。

 そこには愛しい二十純也という少年と、その隣にいる憎たらしい百屋凛子という少女がいる。

 純也と凛子は、超大手会社の社長を父にもっていてかなりのお金持ち。

 純也は凛子の許嫁……。それが大人が勝手に決めた結婚だったとしても、庶民の私には手出しできない。

 昔は純也と凛子と私の3人で、毎日のように遊んでいた。

 それもこれも全部、純也と凛子の父のせい。

 私が13歳の頃に私は「汚い庶民だから」といって、あの2人に近寄らせてくれなくなった。

 それでも私はあの人が好き……。たとえ叶わない恋だったとしても。