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Re: *戦場のジュリエット ( No.8 )
日時: 2009/10/17 15:03
名前: ☆:.:苺羅:.:☆ ◆RP4/4zHHbo (ID: fQl/VR.0)
参照: 時は昭和の戦時中、暗黒の時代の中で一生懸命生きた少女が居た——by戦場のジュリエット

*02



 「あっ桜じゃん、おーい! 桜!」

 素通りしようとおもったら、純也が私の存在に気付いたらしく、声をかけてきた。

 「あっ純也……おはよう……」

 私はそういって、純也に近づくと辺りを見回した。

 純也と凛子の父がみていないか、確認する。

 どうやらいないらしい……私はホッとした。

 「俺の親父、赤紙が届いたんだ」

 「へぇ……」

 私は嬉しかった、これで邪魔者がいなくなる。

 「ねぇ純也君、早くいきましょうよぉ」

 私と純也の会話を邪魔するかのように、憎き凛子がそういった。

 私は純也と凛子の半歩後ろを歩いて、学校へ向かう。

 途中で純也は中学へいくから、私は凛子と2人っきりになった。

 もちろん無視。嫌いな奴と会話なんてしたくない。

 凛子は私と同じクラスで、皆からも人気があって、先生からも信頼されている。

 裁縫も料理も掃除もなんだってできる。

 私と正反対の女の子だった。

 「桜おはよう。今日も日本軍は圧勝してるようね」

 私は席について、ボーッとしていると、唯一の友人の新垣里子が話しかけてきた。

 「そうみたいね……。はぁ」

 「どうしたの? 元気ないわね」

 「……純也君が……振り向いてくれない……」

 「あぁ凛子の許嫁ね。でも……仕方ないよ」

 「……うん」

 忘れたいんだけど、忘れることなんてできないよ。

 どうすればいいの……? 私。

 この頃、日本軍の戦局はミッドウェー海戦により悪化していた。

 このことは、日本国民には知らされず、嘘の放送が流されていた。

 1943年4月、山本五十六が戦死。その後も日本軍の戦局は悪化していった。