ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: GRANDIAS ( No.3 )
日時: 2009/10/26 17:08
名前: Ruin ◆o3vr1rJiTI (ID: LpcnUUvD)

階段の踊り場まで来ると、封筒を開け中を見た。
中には、手紙が入っていた。


《デュランダルへ》
あなたがこの手紙を読んでいるときには、私はもうこの世に居ないでしょう。私の中には<M>(ミュー)という異性物が存在していました。それを知ったのは三年前の秋。私とあなたが出会って二年半経った頃です。初めは何かわからず、問題も無いと思い放置しておきました。ですがここ最近、頭の中に残酷な言葉が流れてきて私を意のままに操ろうとするのです。私がこのような事で操られる事は一度たりともありませんでしたが、赤ん坊が宿った約一年前、<M>が直接私に言うのです。「お前の赤ん坊を殺す」と。私は脅しだと思い放置しようとしたのですが、三ヶ月前、異変が起こりました。あんなに動いていた赤ん坊が急に動かなくなったのです。<M>は笑いました。私はこのとき、<M>は赤ん坊を本当に殺すつもりなのだと悟り、確信しました。なので私は、<Soul>を使い、<秘術>を発動させました。なので、引き換えに私は死にます。ですが、赤ん坊のために使った<秘術>のお陰で無事に赤ん坊を産むことが出来た時は、本当に嬉しかったです。ですが、こうなった今、あなたは私に赤ん坊の名を付けてもらおうとするのでしょうね。
「ロアステイル」。私は、その名前を提案いたします。あなたが決めてもいいのよ、デュランダル。それから、お願いがあります。<M>を消滅させてください。<M>は言いました。「世界を殺す」と。お願いです。<M>を消滅させてください。私からは以上です。
後は任せました。
デュランダル・グランディアス
            レミス・グランディアス  

3枚にもわたって、レミスは書いていた。
一部かかれた字が、滲んでいた。
きっと、時間との戦いだったのだろう。
字も良く見れば、かすかにぶれている。
デュランダルは手紙を強く握り、歯を噛みしめた。
<M>という異性物は、伝説上にしか存在しないと思っていた。
黒い残酷な文字で人の形を構成していて、人の言葉を喋りその黒い巨大の中には実際に意思を持った<M>本体が居るのだという。
<M>は罪の魂であり、過去には初代のグランディアス<クレイアシル・グランディアス>だけが、<M>を滅ぼせたのだという。
どのように倒したのかは記されていない。
ただ、<my life end. story and grandias endless>と、記されているだけだった。

その<M>が存在していた。
俺は・・・・・・。
(赤ん坊を殺す。・・・・・・城にいる奴を殺す)
「!!!」
残酷な言葉が流れてきた。
デュランダルは少し混乱する。
(ロアステイルを殺す。絶対殺す)
デュランダルは、三階に下りた。
そして、レミスの部屋へと向かった。
そして、レミスの居た部屋に入る。
(レミスを食べる)
<M>が語りかける。
デュランダルは頭を抱えた。
レミスを見て嘆き悲しむ余裕も無い。
「デュランダル様!?」
レミスの側近であるクォルテが心配して言う。
「クォルテ・・・。赤ん坊・・・ロアステイルの乳母は・・・?」
デュランダルは訊ねる。
クォルテは、手帳を開いた。
「シエラです。シエラ・ラティエスです」
クォルテは言った。
デュランダルは、クォルテの肩を掴んだ。
「頼みがある。シエラを呼んできてくれ」
デュランダルは言った。
二人の子供を・・・ここから遠ざけねば。
<Grandias>の聖血が途絶えてしまう。
デュランダルは王の間へと向かった。
五階の王室にはいったデュランダルは、玉座に座り、シエラを待った。