ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: GRANDIAS ( No.4 )
日時: 2009/10/26 17:10
名前: Ruin ◆o3vr1rJiTI (ID: LpcnUUvD)

五分後・・・。
シエラが入ってきた。
「デュランダル様。このシエラに何か御用で?」
シエラは訊ねる。
デュランダルは立ち上がった。
「俺の子、キスティスとロアステイルを連れて、この城を出よ」
デュランダルの一言に皆は耳を疑った。
シエラは、デュランダルの前に立った。
「デュランダル様!あなたは本気でおっしゃっているのですかッ!?」
シエラは叫ぶ。
デュランダルは頷いた
「俺の中には<M>がいる。秘術を使う事意外い、<M>を取り出すことなど出来ない。レミスもそうだった。赤ん坊を産むためだけに秘術を使った。そして死に、<M>は俺に入り込んだ」
デュランダルは頭を抱える。
「俺は俺でなくなるかもしれない。だから・・・二人の赤ん坊を・・・城の者と住民の安全をッ!!!!!」
デュランダルは手をついた。
「デュランダル様!!」
シエラは近づこうとする。
その時・・・後ろから声がした。
「シエラ・ラティエス!!デュランダル様から離れろ!!」
ディスペルクは叫んだ。
シエラはデュランダルから急いで離れる。
「ぐ・・・あああああああああぁあぁぁああああ!!」
デュランダルは叫んだ。
獣の雄叫びのようにすさまじく、皆が震え上がった。
シエラは頼まれた事を思い出し、王の間を出ようとする。
すると、ディスペルクがシエラの手を掴んだ。
「シエラ。すまないが俺も死なないという保証が無い。だから、すまないが俺の子供・ヴェルフェルミナを頼む」
ディスペルクは言った。
シエラは頷き、王の間を出た。
王の間を出ると、そこにはキスティスが居た。
「シエラさん・・・お父さんは・・・?」
キスティスは訊ねた。
きっとデュランダルのことだろうとシエラは思った。
「お父さんはね、疲れたからお休みになられるの。さあ、こっちにおいで」
シエラはごまかし、キスティスを連れて行った。
少し進むと、子供が歩いていた。
「シエラさんだ。こんにちは」
ヴェルフェルミナだった。
シエラはヴェルフェルミナに近寄る。
「ヴェルフェルミナちゃん。お願いがあるの」
「何?」
「デュランダル様の赤ん坊を連れてきてほしいんだけれど」
「・・・いいの?」
「いいの」
「じゃあ連れてくるね。三階で待ってて!!」
ヴェルフェルミナは言った。
シエラは、キスティスを連れて三階に下りた。
三階に下りると、ロアステイルをかかえたヴェルフェルミナが待っていた。
「遅いよ。・・・はい、どうぞ」
ヴェルフェルミナはシエラにロアステイルを受け渡した。
「有難う」
「どういたしまして」
「じゃあ。行こうか」
シエラは言った。
「何所へ行くの?」
キスティスは訊ねる。
「キスティスのお父さんと、ヴェルフェルミナのお父さんに頼まれたの。新しい家でしばらく暮らしてくれって」
「四人のお家?」
「そうよ」
「わーい!!」
二人は喜んだ。
シエラは歩き出す。
「じゃあ行くわよ!」
「はーい!」
こうして四人は城を出た。
シエラは思う。

この子達が真実を知った時、きっとこの子達は悲しむのだろう。

シエラは四人を連れて、カシェムの民が居るシェ—ザの里に向かったのだった。