ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: GRANDIAS ( No.6 )
日時: 2009/10/26 17:15
名前: Ruin ◆CVuGFbtcTc (ID: LpcnUUvD)

砂だらけの地面。
点々とあるサボテン。
雲の無い空。
照りつける太陽。
エウレディアスの西側にはそんな世界があった。
西ナーダ砂漠。
ここを超えなければシェ—ザの里へはいけない。
五人は砂漠に足を踏み入れた。
「あっつぅ。日焼けしちゃうよ〜」
ミロが早速口を開く。
シエラは歩き出す。
「行くわよ」
「あ〜!ちょっと待ってよ〜!」
ミロはシエラの後を追う。
キスティスとヴェルフェルミナは何の気なしについてくる。
ロアステイルもミロなど気にせずすやすやと眠っていた。
ミロはシエラの横を歩く。
「なあ、シエラ。どうして城を出る事になったんだ?」
「・・・・・・」
「なあ。教えてくれよ」
ミロは言う。
シエラは口を開いた。
「<M>って知ってる?伝説に出てくる異性物」
「・・・知ってるけど」
「それがね、この赤ん坊・・・ロアステイルを生む何年も前にレミス様の体内に入っていたの。ロアステイルの右手が無いのはそのため。・・・そして、レミス様はこの子をうむために秘術を使った。そして・・・亡くなられた」
シエラは一度口を閉じた。
ミロは何もいえない。
シエラは続けた。
「レミス様がなくなられた後、今度はデュランダル様に異変が起こった」
「<M>」
ミロは言う。
シエラは頷いた。
「デュランダル様は、この子が<M>にやられる事を恐れ、自らの意識があるうちに私に命を下さった。それが今している事」
シエラは言う。
ミロは口を閉じる。
「ディスペルクもそれを恐れ、ヴェルフェルミナを私に預けた」
「・・・大変だな。そりゃ」
ミロは言う。
「えいっ!!」
後ろから声がした。
二人は振り返る。
「とうっ!!」
見ると、二人はナーダウルフという狼と戦っていた。
ヴェルフェルミナが杖を振り回し、キスティスは魔術書を必死に解読し呪文を唱えようとする。
そして、唱えた魔法・・・。
「ヴァーン!!」
杖から小さな炎が放たれた。
ナーダウルフは炎に焼かれ倒れた。
シエラとミロはナーダウルフに近づく。
「死んでる?」
シエラが訊ねる。
「やられてるっぽいよ」
ミロが答える。
「手土産に持ってくか」
「いいねぇ」
二人は会話する。
ミロはナーダウルフを持ち上げた。
「ナーダウルフげっちゅ!」
ミロは大声を出した。
すると、周りに狼がたくさん集まってきた。
五人がとまっていると、周りを囲まれた。
牙を剥き出し唸る。
「何さ何さ!」
ミロが狼に向かって大声を出す。
シエラはミロを見る。
「さっき殺したナーダウルフよ。きっと怒ってるんだわ」
「うそぉ・・・」
ナーダウルフがじわじわと近づいてくる。
ミロは動揺する。
「あわわわわ・・・ご・・御免なさいぃいいいいい!!」
ミロは叫んだ。
シエラは考えるが、その間にじわじわと距離を縮めてきている。
噛み付かれたら一巻の終わりだ。
きっとこの狼を返しても怒りはおさまらないだろう。
なら選択肢は一つ。
逃げるが勝ちだ。
シエラはキスティスに訊ねる。
「瞬間移動できる魔法を知らない?」
キスティスは本を開く。
「ある」
キスティスは言った。
キスティスは、瞬間移動できる魔法がかかれているページを開き、そのページにかかれている呪文を瞬時に解読し唱えた。
「テレポ!!」
五人は光に包まれ、そこから姿を消した。