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Re: 蝶ト蛾ト灰猫  3話目うp ( No.9 )
日時: 2009/10/19 19:57
名前: 姫樂*゜,.;:* (ID: .Gl5yjBY)

#4匹目

「何で私たちのことを・・・・!?」

私がそう言うとニコリと笑って『ノエル!』と言った。

「兄上!会いたかったでさぁ!!」

「お前・・ノエル・・なのか!?」

まったく性格が違うです・・。 夜鶴、貴女一体何者なのでしょうか・・・。

「シエルがここらに居る、って言ったらノエルはベルギーから飛んできたのですよ。 ま、ノエルも私と同じ脱退者ですけど。」

「え? じゃあ、脱退者って何人くらいなの・・?」

「・・・・それは、」




             *

「申し訳ございませぬ、吉良シエル、その弟ノエルの捕縛に失敗致しました・・・。」

もう一人の部下が言葉を継げる。

「脱退者、吉良兄弟と黒神夜鶴、それに千楽様の愛娘神威千歳様はパリ周辺の潤喫茶、紅石<ルビー>に居るとのことです。」

千楽は体勢は先ほどと変わらずに話を聞いている。
そして、口を開く。

「他の脱退者の捕縛の方を優先、千歳等の大物脱退者は後回しだ。」

そう告げると、素直に『わかりました。』と言い下がっていった。

「相変わらずの千歳好きね、父上。」

ひょこりと顔を出した茶色のロングヘアの女の子。

「口が過ぎるぞ、千鎖。 貴様は千歳の妹だろう?姉貴の心配ぐらいせぬか。」

「ふふん! あんなクソ姉貴誰が入るものですか。大してアチシも相手にしてくれなかった女を!」

口を尖らせ自室へ帰る妹───────

会話をしながら逃走を続ける姉───────

心境の読めない父───────

姉の千歳に悲劇は










                   近い。


#4匹目End