ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

僕は弱いから。 ( No.2 )
日時: 2010/11/01 23:42
名前: 詩音 ◆iSY4c59rlo (ID: Jgqeoa.s)

2.


「君は、君が造りたかったの。」
「そうなんだ。君は、僕じゃないだろ。」

意味が分からない。
何故、名無しは自分の分身を造ろうとしたのだろうか。
失敗作の僕には分からない。

君は僕の手を握り、どこかへ連れていく。

「どこに行くの。」
「君を殺しに行く。」
「やだ。」
「どうして?君は失敗作だろう。」
「でも、やだ。」

僕は握られている手を引っ張って引き離そうとした。
だけどすごい力で、どうしても離れない。

「やめて。」

何度も何度も引き離そうとした。
やっぱり、離れない。

「何でそんなに死にたくないんだ?」
「生きたいんだ。」