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Re: 黒白の薔薇の幻想夜話 ( No.22 )
日時: 2009/10/22 19:20
名前: b'`*)ノ桜姫⌒゜* ◆hjAE94JkIU (ID: MlM6Ff9w)
参照: http://www.doumori.com/bbs_talk/show.php?kiji_id=332573

幻想の円舞曲 〜1曲目  幻想郷への招待状


暗い森の奥の奥……

聳え立つ闇の館のとある部屋で一人の少女が微笑んだ。


『クスッ……あとは「彼女達」に任せましょう』

少女は黒いドレスを翻すと部屋の鏡に手を合わせ歌いだした。

『♪嗚呼 神ですら

  恋い焦がれる幻想郷

  花弁舞い散る美しき世界

  だけど本当の世界は綺麗じゃないわ

  闇の羽根舞い散り悪が微笑む

  暗黒の世界

  手錠で繋がれ囚われた悲しき悲しき悪ノ姫♪』


少女が歌い終わった瞬間鏡の表面が波立った。

少女は鏡に手を伸ばし、鏡へと吸い込まれる。




「ボーン……ボーン……」

壁の時計が時を告げた。





『此処らへんでいいですわね……では……』

そう言う少女の足元には倒れている一人の少女。

立っている少女は嘲笑うように少女を見下すと言い放った。

『ではごきげんよう、もう2度と会うことはございませんわね』

ソレだけ言い残すと少女は黒い羽根を散らせ消えうせた。

すると辺りを白い霧が覆いだした。

『今日はコレ……?』

霧の中から声が響く。

『ちょっと黒凪?ヒトをコレ扱いはどうかと思うんですけど』

響き渡るもう一つの声。

それに黒凪と呼ばれた少女が答える。

『幻想郷〈ココ〉に連れて来られるならコレも同然』

淡々と話す黒凪。

『……それもそうね』

もう一人の少女はクスッと笑うと腕を組み少女を見降ろした。

『幻想郷に入り込んだ害虫は……排除すべし』

少女のエメラルドグリーンの瞳が微かな殺気を帯びた。




*続く*