ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ≪宝探し屋≫の学園生活 ( No.18 )
- 日時: 2009/10/24 20:54
- 名前: 玄月 (ID: jTvjGEcm)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12039
第7話『隕石って決めつけないで下さい、石ですよ、石』
ここは、保健室の戸の前。
蛍夜が戸をあけて
「す…すいませ〜ん…、クレセント先生…いますか…?」
と言う。
すると、保健室から
「…えぇ。どうぞ、お入りなさい」
と、静かな声が聞こえた。
蛍夜は保健室に入り、俺をベッドに寝かせ、誰かと会話をする。
「あの…友達に空から落ちてきた謎の石が運悪く当たってしまって…」
蛍夜がそう誰かに説明する。
ってか、こんなこと信じるのか? 話し相手は。
話し相手(?)は
「…そう…ですか。じゃあ、その御友達を見せてください」
と、蛍夜に言う。
「…あ、ハイ」
蛍夜はそう返事をして、話し相手を俺のほうに連れてきたようだ。
「…君が、その…石にぶつかった子ですか?」
白衣を着た、青い瞳の銀髪の男がそう俺に聞いてくる。
俺は起き上がり、首を縦に振る。
すると、男は頭をぽんぽん叩いて
「…大丈夫ですが? 本当に隕石にあたったんですか? この子」
と蛍夜に聞いた。
それを聞いて、俺は
「隕石って決めつけないで下さい、石ですよ、石」
と白衣の男にツッコんだ。
白衣の男は、そうですか…と呟き
「…すいませんでした。 あ、僕は保険医のクレセント・クレイズです。
ここで、カウンセリングをしていますので…悩みがある時は言ってくださいね」
と言って、ニコっと笑った。
蛍夜は、俺が本当に大丈夫なのか心配のようだ。
俺は、ベッドから降り
「ありがとうございました。蛍夜、もう大丈夫だから…教室行こう」
と言って、保健室から出て…廊下を走って教室まで戻った。
と、次の瞬間、誰かとぶつかった。
ゴチンッ! という音がして、俺とぶつかったやつは倒れる。
「…いたた…、ごめん…なさい。大丈夫?」
茶髪の、声が高い男子生徒がそう聞いてくる。
俺は
「うん…こっちこそごめんな」
と言って、立ち上がり、茶髪の男子生徒に手を貸す。
茶髪の男子生徒は、俺の顔をのぞきこんで
「…えっと、間違ってたらごめんなさい。貴方…は転校生の…?」
と、言ってこちらを見る。
…ウン、多分そうだろうね。
ってか、こんな時期に転向して来るの俺と舞桜くらいしかいないと思うし。
「…多分、そうだよ。俺、3年Aの霧生刹那」
俺はそう答えて、茶髪の男子生徒に笑って見せる。
茶髪の男子生徒は、
「そ…そうなんですか。僕は、3年Dの中宮紫連です。よろしくお願いします」
と言って、頭を下げる。
その時、蛍夜がこっちに走ってきた。
「…あ、お友達が一緒だったんですか? だったら、僕はこれで…」
紫連は、そう言ってどこかへ行ってしまった。
その時、授業開始の鐘が鳴った。
授業に遅れるとまずいので、俺は蛍夜と教室に走って行った。