ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 三話 ( No.3 )
- 日時: 2009/11/16 20:00
- 名前: 羽夜 ◆RZNKdBQtkc (ID: xYJBB/ey)
ゆっくり、ゆっくり……たまに狂ったっていいでしょ?
チェーンソーを人間に向ける、人間。共殺し、としか言いようが無い。だが、そんな人間の命を消すのが闇人、そして勿論聖人も。だからこそ狂う時もあるのだ。
「随分とグロテスクな殺し方だねっ!」
「……それで興奮してる方が私には怖く見えますがね」
そう、暗紅もその一人、よく狂ってしまう闇人なのだ。その為に闇紅が付いている。そして、暗紅と闇紅の二人を見た人間は、目を見開き、冷や汗を掻いている。まるで「見られた……!」とでも言いたそうに。そして次には血が塗ってあるチェーンソーを振り上げる。これが人間の精一杯の抵抗。罪を犯した人間は罪を認めようとしない。まあ、認めようが認めなかろうが消すのは同じだが。
「うおぁぁぁぁぁぁ!!」
暗紅達の目の前に居る人間はチェーンソーを持ち、奇声を上げて向かってくる。目には涙が溜まっている。恐怖なのか、喜びなのかは良く分からない。何故なら人間は狂ってしまい笑っているからだ。正に恐怖。
「……怖い怖い。暗紅、絶対狂わないで下さいよ? 死者を愚弄なんてしてほしくないので」
「分かってるよ」
闇紅の言葉に、暗紅は笑いながら答える。その後、そこら辺にあった看板に軽く飛び乗る。
「闇紅対人間! どっちが勝つでしょうか!」
「実況なんて趣味悪い……」
闇紅は嫌そうに言いながらも、ちゃんと人間を傷つけている。腹斬って足斬って。だが傷は浅い。人間がこんなに動ける物かと思いながら闇紅は人間に傷をつける。勿論、手っ取り早くしたいから心臓を狙う。
今すぐ、ナイフとか飛んで人間に刺さって欲しい物だ。そう思った瞬間、人間の心臓と言われる場所に、ナイフが刺さった。
「止め刺したりぃ!」
笑っている暗紅の声。そのナイフは暗紅が投げたのだ。それを見た闇紅は、嫌々そうに、
「……ありがとうございます」
と言った。暗紅だけには助けられたくなかったのだ。
廻る時の中で何を見ても正常に。狂ったりしちゃ、駄目よ?
そんな約束、何時果たしたっけ。意味深な言葉だけ、心に残ってる——。