ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 監禁された天使 ( No.3 )
日時: 2009/10/25 19:39
名前: 銀の翼 ◆NC1AxUg.ec (ID: DrxGkANi)
参照: 未来戦争では、希望を持ってはいけない……by未来戦争

prologue

 お母さんは、もういないんだ。
 娘は何もやってない、私がやった、と嘘をついてディスブレスに行ってしまったんだ。本当は、私が悪いのに……。
 もう、お母さんの優しくて、甘い声が聞こえない。天使の微笑みのような笑顔も見れない。息ができないほど苦しかった。
 お母さんは悪くない。私が悪いんだ! なのに、なのに……!
 リオン! 本当のことを話すから、お母さんを返して! お母さんと一緒にいたいの! お願いだから! 何でも言うことをきくから!
 何でもあげるから! 何があげればお母さんを返してくれる? 命? お金? 宝物? 私達の周りの物、全て? 全部あげるから、お母さんを返して!




 毎日毎日、私は苦しんでいた。
 そんなある日……。



 私は朝食のエッグサンドと、珈琲を食べていた。
 エッグサンドの香ばしさと、入れたての珈琲のいい匂いが、お母さんのことを忘れさせてくれた。
 「失礼ですが、エルジュさんはいますか?」
 いきなり木製のドアの向こうから、大きな声が聞こえてきた。
 こんな朝早くから……一体何? せっかくいい気分になってたのに!
 「何ですか!?」
 私は木製のドアを力強く開けた。
 「あなたは……エルジュさんですね?」
 とんでもなく低い声が上から降ってくる。







 「リオン様が、おまえを愚か者だと判断した!」