ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 暗闇に紅い薔薇が咲く ( No.10 )
日時: 2009/10/26 20:46
名前: b'`*)ノ桜姫⌒゜* ◆hjAE94JkIU (ID: 0Zj7Agn/)
参照: http://www.doumori.com/bbs_talk/show.php?kiji_id=332573

6話 緋願花
*ちひろ目線*

シニガミサマ……っ!?

満月は輝いた眼で話を続ける。

「なんでも深夜月が1分だけ赤く光るらしくて、その時に憎い相手や恨んでいる奴の名を呟くとシニガミサマがそいつの魂を持って行ってくれるんだって!」

満月が興奮しながら莱夢に語っている。

「へぇ〜面白そうですねえ」

莱夢は冗談半分で聞いていたようだ。

……!! そうだ!

その話が本当なら……

シニガミサマに莱夢を……!!

ちひろは決意に満ちた暗い目で空を見上げた。

*風恋目線*

……あの子……

覚悟が決まったようですね。

だとすると……早く帰った方がいいですかね……

『燐! 煉! 帰りますよ』

私は群がるファンから逃げてきた2人に小声で呼びかける。

2人は黙ってコクリと頷いた。

〜深夜〜

「……寒っ……」

屋上。 冷たい風がちひろの体に吹き付ける。

「PM23:35……」

ちひろが屋上にきて、もう2時間が経過していた。

やっぱりただの都市伝説なの……!?

ちひろは俯いて帰ろうとした。



    ——————その刹那



月光が赤くちひろの体を照らした。



驚いたちひろが振り返ると、なんと月が赤く光っていた。

「……嘘っ……」

はっ……!! そうだ名前!


【北条 莱夢】


私は小声で呟いた。 すると後ろからいきなり声がした。

『ふふっ……今日の依頼人は……貴女……なの……?』

えっ……?

「誰……!?」

『私は緋願花……依頼配達人よ…ふふふっ……』

紅いドレスのような服に身を包んだ真紅の髪の少女が
妖しく私に微笑んだ。

そして……わたしの意識はそこで途切れた。
    
               続く