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第三章 謎の少女 ( No.23 )
日時: 2009/10/29 22:38
名前: 架凛 ◆V3sV8pUxpk (ID: nujUYaTi)

 
 バババッ_____________

 突然、どこからか水がとんできた。
 それもただの水ではない。水の弾丸である。

 「うおっ!!」

 ブルートは不意の攻撃にもぎりぎりでよけた。
 隊長というだけの事はある。
 大きく跳躍して、まだ残っている家の屋根に飛び乗った。

 「お怪我はありませんか?」

 そうフィリアに声をかけたのはライファだった。
 リーアス軍がやっと到着したのだ。
 軍は敵軍と戦っていたが、ライファは別の場所に大きな魔力を感じた。
 そしてその場はハーディに任せ、様子を見に来たのだ。

 「……どなた?」

 フィリアは少し表情を変えてきいた。

 「私はライファ=リーアス。」

 それを聞いてフィリアは驚きの表情を浮かべ、ブルートは叫んだ。

 「この国の姫だとっ!?くそっ。何故こんなところに。
   魔力の気配は消していたのに……。」


 (え?)

 ライファは一瞬眉をひそめた。

 「じゃ、じゃあこの魔力はあなたのものではないのですか?」

 「そうだ……。
   (こ、これはピンチか?ピンチなのか?)」

 ブルートは内心焦っていた。
 氷のような目で微笑むただ者ではなさそうな少女と、
 強力な魔力を秘めた姫に到底勝てる気はしなかった。
 そして……。

 「くそっ!!お、覚えてろよ!!」

 捨てゼリフをはいて逃げていった。

 「………。」

 「……情けないですわねぇ。」

 フィリアが小さく呟いた。

 そしてライファはその少女を凝視していた。

 (何故!?あいつが立ち去ったのに魔力の気配は消えない。
  まさか、この子から放たれていると言うの!?)

 「あなた……何者?」

 「……私はフィリア=ライトネス。この子は私のコルアですわ。」

 フィリアは笑顔を絶やさず愛しそうにコルアの背中を撫でた。