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4話　　キッカケ
教室にて……


「あっ薔薇園さん、一緒に理科室行きませんか?」

教室で本を読んでいたら何故か呼びかけられた。

……私ってそんなに孤独に見えるんですかね……。

『あ……私は良いです、用事があるので……』

そう言って断ると相手の黒髪の子はオドオドして小声で言った。

「そうですか……すいません……じゃあまた今度」

この私に話しかけてきたのは本城　祈衣奈さん。

ちょっと内気だけど結構いい子だと思う。

素直で優しいしね。

因みに本城さんは私の隣の席。


一方その頃の燐獄＆煉獄というと……

「燐様ぁー!!煉様ぁー!!こっち向いてぇ———!!!」

熱狂的なファンの人たちに囲まれていました。

まぁ美形ですし……転校初日からこんな感じで……。

私もなんだけどね……。

実際静かに読書してられる方が珍しかったりする。

さっきなんて「風恋様ファンクラブ」ってチラシ配ってた女の子いたし……。

恥ずかしいからやめてほしいんですけど……。

『レン〜どうしよっかぁ』

ファンから逃げながら小声で呟く燐獄。

『…逃げよう』

頬に汗を浮かべ煉獄が呟く。

と、その瞬間、

「なにやってるんですの!!??この屑女!!」

『『『!!!』』』

不意に教室に響いた声。

声の主はこのクラスのリーダー、北条莱夢の声だった。

北条家は私達の通う城雛学園の理事をやっているかけいらしい。

傲慢で生意気なお嬢様だ。

正直、私の一番嫌いなタイプ。

「とっとと行って来なさい!鈍間!!」

床にモノを叩きつける音が響く。


「すっ…すいませんっ…」

なんと北条に怒鳴られているのは……本城さんだった。

周りからクスクスと本城さんを嘲笑う声も聞こえる。

『風恋……』

いつの間にか背後にいた煉獄が私に小声で呼びかける。

『……分かっています……』

今日の依頼は…………この子から……?

*続く*