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５話　イライ
*祈衣奈目線*
なんで……あたしがこんなこと……っ!!

上を見上げると莱夢と目があった。

「……っ……なんですの?その顔は、私に文句でも?」

莱夢は嘲笑うかのようにあたしの手を踏みつける。

「……痛っ……」

手の甲をズキズキと痛みが襲う。

確かにあたしは内気な性格だ。

あまり他人に言い返すキャラじゃない……だからって!!

一体私が何をしたっていうの!!??

どうして私がこんな目にあうの!?






———コ イ ツ ガ ニ ク イ !!———





莱夢はハァと溜息を吐くと目線を反らした。

「ったく使えなませんわ……っ」

すると莱夢の所に一人の少女が駆けてきた。

少女は眼を太陽よりも明るく輝かせ莱夢に語りかける。

「莱夢っ!!知ってる??」

莱夢に話かけた少女は同じクラスの竜宮満月。

莱夢の親友らしい……。

アンタが莱夢の奴隷になれと何度思ったことか。

「どうしたんですの?満月……」

莱夢は呆れた表情で満月の方へ振り返る。

「『シニガミサマ』」って知ってる!?」

満月は爛々と瞳を光らせ喋り始める。




え……?



……シニ、ガミ……サマ……?!



これは地獄へ居た私に下ろされた一本の救いの手……蜘蛛の巣だったのかもしれない。



*続く*