ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 暗闇に紅い薔薇が咲く *オリキャラ募集中* ( No.41 )
日時: 2009/11/03 20:13
名前: b'`*)ノ桜姫⌒゜* ◆hjAE94JkIU (ID: M8vlMd6.)
参照: http://www.doumori.com/bbs_talk/show.php?kiji_id=332573

6話 緋願花
*祈衣奈目線*

……シニガミサマ……!?

「なんでも深夜にね月が1分だけ赤く光るんだって!!その時に憎い相手や恨んでいる奴の名前を呟くと
シニガミサマが魂を持って行ってくれるんだって!!!」

満月が眼を輝かせ興奮しながら莱夢に語っている。

「へぇ〜……面白そうですわねぇ」

莱夢は冗談半分で聞いていたようだ。

このとき、私の頭に一つの考えが浮かんだ。

……!! 

そうだ!

シニガミサマに莱夢を……!!

私はゆっくりと立ち上がると決意に満ちた暗い目で空を見上げた。



*風恋目線*

……本城さん……もう………後悔はしないのね……。

彼女が決意したのであれば……

こうなったからには……早く帰った方がいいわね……

『燐!煉!早く家に帰りますよ』

私はファンから逃げてきた2人に小声で呼びかける。

2人は黙ってコクリと頷いた。



〜深夜〜



「……寒っ……」

屋上。 

冷たい夜風が祈衣奈の体に吹き付ける。

「PM23:35…」

祈衣奈が屋上にきて、もう2時間が経過していた。

やっぱりただの都市伝説なの……かな……。

「……帰ろう」

祈衣奈は踵を返し俯いて帰ろうとした。



    ——————その刹那



鮮やかな赤い月光が祈衣奈の体を照ら出した。

驚いて祈衣奈が振り返ると、なんと月が赤く光っていた。

その月の色はまるで血のように鮮やかだった。

「……嘘っ……」

不意に言葉が零れ落ちた。

はっ……!! 

そうだ名前!!名前をいわなくちゃ!!


「【北条 莱夢】」

私は小声で呟いた。 

その瞬間、身体を寒気が襲った。

闇の中に独りぼっち、放り出されたような……。

言いようのない、「恐怖」

いきなりその場に声が響いた。

『ふふっ……今宵の愚かな依頼人は……貴女…?』

えっ……?

驚きと恐怖が私の心を支配していく。

「誰……!?」

眼の前の真紅の髪の少女が私の方を向く。。

『私は緋願花……依頼配達人よ……ふふふっ』

真紅の髪の少女が妖しく私に微笑んだ。

『……愚かな願い人よ……貴女の願い……叶えるわ……ふふふっ……』

右肩に焼けるような痛みが走った。

そして……わたしの意識はそこで途切れた。

    
               続く