ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 暗闇に紅い薔薇が咲く *オリキャラ募集中* ( No.44 )
日時: 2009/11/03 20:39
名前: b'`*)ノ桜姫⌒゜* ◆hjAE94JkIU (ID: M8vlMd6.)
参照: http://www.doumori.com/bbs_talk/show.php?kiji_id=332573

8話 血濡レタ宴

コツッ・・・…

暗闇に硬い音が響く。

私は暗い路地裏に降り立った。

さて……私はここで標的を待つだけ。

燐獄と煉獄が標的を誘き出してくれたはずだから……。

待つこと数分……。

標的……いや、莱夢はやってきた。

「ったく……あら?貴方……確か……薔薇園風恋? 何でこんなところにいるんですの」

答えても意味がないので適当に受け流すことにする。

『貴女に答える義理立ては無いわよ? 』

この一言は唯でさえイラついていた莱夢をさらに怒らせたらしい。

「っ!!誰に向って口聞いてるんですの!?」

莱夢はいきなり懐からスタンガンを取り出し私に襲いかかってきた。

ハァ……全く人間って愚かだわ。

私はため息をつき、片手に持っていた私の身長より大きい鎌を握り直し低く呟いた。

『風薔薇鎖』

その瞬間、莱夢の動きが止まった。

……いや、止まったのではない。


動けないのだ。


死神だって一応魔法位使える。今の魔法は相手を風で拘束する技だ。

「なっ……なんですのこれ!? 私が何したっていうんですのぉ!?」

莱夢は恐怖に震えながら私を見上げる。

自分の罪にすら気づかないなんて。

なんて酷いのかしらね……。

私は眼を細めると鎌で莱夢の身体を引き裂いた。


真っ赤な血がビチャビチャと辺りに飛び散る。

切り落とされた肉片がドサリと地面に落ちる。

『貴女の罪は何もしていない本城さんに奴隷のような真似をさせたことよ』

私はそう言うと、顔に飛び散った返り血を袖で拭い、莱夢だったモノに向い言った。

『貴女は王女でも女王でも無いわ。貴女が人に命令させられる権利なんて無いの。……もっとも貴女に王女の辛さなんてわからないわ』

そう言い捨てると私はポケットから薄い黒色の神を取り出し呟いた。

『北条莱夢の魂……確かに回収しました』

紙から徐々に薄くなり消えていく北条莱夢の文字。

『……っ 燐獄!煉獄!後始末は頼んだわよ!』

私は暗闇に向かって叫んだ。

するとどこからともなく燐獄と煉獄が現れた。

『了解っ!』

燐獄は鉄扇を開き私に笑いかける。

『分ったよ』

煉獄も静かに頷く。



今日の依頼は……これで終わり。


————今宵も真紅の血ノ海で赤い薔薇が咲き誇る