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9話　終末
*祈衣奈目線*
翌日—————

いつもと変わらない教室の光景。

ひとつ違うことといえば……

莱夢がいないこと。

莱夢の机の上には白い菊の花が手向けられている。

莱夢は昨日の深夜、何者かによって惨殺されたらしい。

身体を滅茶苦茶に切り裂かれて。

もはや猟奇的なその姿に、家族ですら何も言えなかったという。

警察も「凶器不明、犯人は逃走中とみられる」しか発表してないし。


私の心に一つの疑問符が浮かぶ。


私は昨夜何をしていたの?


……思い出せない。


自分が昨夜、気を失う前の行動が……。

確か屋上にいて……気がついたら自分の家にいた。

屋上へ行った後の記憶はボンヤリとしていてよく思い出せない。

私が俯いて考え込んでいると、クラスの女子たちが私の周りに集まってきた。

「あの……本城さん……ちょっといい?」

何だろうか

もしかしてまた何か言われるのかと思い私は皆を見渡した。

「……今までごめんなさい……っ!!」

……え・・・…?

「北条さんが本城さんを虐めてるの見て見ぬふりしてて……御免なさいっ……
でもこれから仲良くしちゃダメ……かな?」

自然と涙が零れ落ちた。

機械的に頬をつたい落ちていく。

悲しいんじゃなくて……胸があったかくて。

「ありがとうっ……」

私はこの日初めて本当の友情を見つけたような気がする……。

昨夜、屋上で何があったかは思い出せないけど……今の私には友達もできた。

————————ーだから、大丈夫

きっと……。


大丈夫……だよね……

*風恋目線*
……本城さん……きっともう大丈夫ね。

心から信じあえる友達ができたんだから……。


『心から信じられる人……か』

……いけない、つい昔のことを思い出してしまった。


…………リーチェ…………。


【ドウシテワタシヲウラギッタノ?】


『っ……』



いけない……今それより……もう帰らなくては。

きっと今夜もまた新しい依頼が来る……。

血濡れた宴は続くんだ……。

人がこの世にいるかぎり……。

『燐……煉……行きますよ』

今宵も愚かな人間は罪を繰り返す……。

続く

リーチェって誰だよ!!って方いっぱいいるかもしれませんねー
前のを見てた人は解るはずだぜ!!(おい