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この町一番の屋敷、一条家の所持している俺の家に帰る。
「おかえりなさいませ、雅様」

召使いに迎えられ、部屋に入る。
ふと、机の上の写真に目が止まる。

俺の、母親の写真。
もう何年前になるか。
赤月家に、殺された姿を見たのは。

赤月家は、古くから一条家の宿敵として戦ってきた家だ。
紋章は桔梗。
鮮やかに、強く、勇ましく。
雨上がりの桔梗の様に。

そんな剣術を中心とする。

十年前。

俺が学校から帰って来ると、母さんが倒れていた。
「…母さん？」

もう、手遅れだった。

赤月家からの刺客によって

母さんは、殺された。

母さんは、死んだ………


赤月家に恨みを持ったのは、その時からだった。
死ぬほど特訓して、腕を磨き、

赤月家への復習を誓った。

でも、今までの戦いで殺したのは、ただの人間。

赤月家の者じゃあない。
それでは、意味が無い……。

明日の夜中。
俺は決断した。



赤月家の長を、殺す。