ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 殺し屋・殺愛、此処に見参————。 ( No.22 )
日時: 2009/12/03 15:38
名前: 雛 ◆r2ORk.p0PA (ID: 6.Riuk1k)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.php?mode=view&no=12315

「誰だっ!」

思った通り。

入口前に立っていた警備員は、不思議な格好をした私を取り押さえようようとした。

「逝姫っ」

「分かってるって!」

私が逝姫を呼ぶと、逝姫は軽々と警備員を飛び越え、事務所の中入って行った。

「侵入者だっ!! 捕まえろっ」

私を相手にしていた警備員は、大声でトランシーバーに呼びかけた。

「そんな事、言ってる暇ないんじゃないかなーっ?」

運が良い事に、警備員は一人。

これなら、楽勝っ。

私は、トランシーバーを足で蹴り飛ばした。

「クソッ! 今すぐ、捕まえてやるからなっ!!」

……何、このオッサン。

「ちょっと……あんた五月蝿い。しばらくは、此処で寝ててくれます?」

私は、持っていた鞄から注射器を取り出す。

この毒は、いつもより弱毒性だから気絶程度で済む物だ。

——チクッ——。

よし。何とか、中に入れそうだわ。

逝姫一人にやらせる訳にはいかないし。

私は、逝姫の元へと向かった。


しばらく、走っていると、逝姫を見付けた。

「逝姫。ターゲットは見付かった?」

「殺愛、随分早かったね。今から、奇襲をかけようとしてたのに」

「……って事は。織零は、この部屋にいるのね?」

「……」

逝姫は、黙って頷いた。

私と逝姫は、顔を見合わせ突入した。

突入と言っても、音を出来る限り立たせない様に。

「もう、仕事かよ? さっき、終わらせたばっかりじゃねーか」

うわ。口悪……。

テレビとかだと、清純っぽいのに。

「私達は、テレビスタッフでも何でもない部外者よ」

「はぁっ!? 部外者が何で此処にいんだよ」

「ふふっ。それはね、私達は……」

逝姫が、微笑みながら言う。

「殺し屋だからっ」

「「殺し屋・殺愛、逝姫、此処に見参————」」

私と逝姫は同時にそう言った。

「殺し屋……っ!?」

これから、私達の演劇が始まる……っ。


—side:Seisi

はぁ……。俺も、ターゲットの方に行きたかったのになぁ。

殺愛は酷いぜ。