ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 殺し屋・殺愛、此処に見参————。 ( No.23 )
日時: 2009/12/03 15:39
名前: 雛 ◆r2ORk.p0PA (ID: 6.Riuk1k)

俺は、そう呟きながら依頼主が待っているという橋に行った。

それらしい、人物を見付けると、その人物に話し掛けた。

「お前が、依頼主か?」

「待ちくたびれたわっ!! 私が依頼人よっ」

……チッ。

女かよ。

殺りにくいなぁ。

「とりあえず、あんたには代償……お代を払って貰うんでぇ」

「お代? あぁ、金ならあるわよ」

女は、高級そうな手提げの鞄から、分厚い財布を取り出した。

「別に、金じゃなくても良いぜ。例えば、悲しい物」

「何よ。悲しい物って」

「気になるなら、それにしてみりゃー良いだろ?」

俺は、ニヤリと笑う。

「……じゃ、じゃあ、それで良いわっ」

「りょーかいっ」

女の周りを俺は一回りして、結界を張る為の言葉を唱えた。

「臨、兵、闘、者、皆、陣、烈、在、前……っ! 呪術、結界聖界!!」

この結界の中なら、何をしても、見えないし、聞こえねぇ。

さっそく、殺りますか。

「じゃあ、お代、頂戴しまーすっ」

俺は、背負っていたギターケースを結界の地面に置き、ケースの蓋を開けた。

「……ギターでも、弾く気? 私、そんなの興味ないわよ」

女の言葉を無視して、俺は、ギターケースの中身を見つめる。

今日は、これと……これにすっか。

ケースから、俺が出したのは……鉈と鎌。

女はそれを見ると、震えた声で言った。

「なっ……!! それで、何するの!?」

言ってねぇけど、結界が張られてる事は張った本人以外気付かない。

つまり、この女は、自分が結界の中にいる事に気付いていねぇ。

「おめぇを……殺るっ」

俺はニコッと笑むと、鉈をぺロリと舐めた。

そして、そのまま女に向かって突っ走った。

「きゃあぁぁぁぁぁっ!!」

女は、凄い形相で叫ぶ。

結界の中だし、いくら叫んでも意味無いけどな。

鉈と鎌を器用に使い、俺は、女を刺したり、切ったり……。

それが、5分程度は続いただろうか。

女は、完全に息を絶っていた。

まるで、ホラーアニメにでも出てきそうな程、たくさんの傷を付けて。

「はぁーっ。もう、終わりかよ。ホントつまんねぇ」