ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 殺し屋・殺愛、此処に見参————。 ( No.6 )
日時: 2009/12/03 15:31
名前: 雛 ◆XuPIbnFE5E (ID: 6.Riuk1k)

「此処が、その橋かな……?」

木で出来た、古めかしい橋を見付けた。

橋に立っていた、一人の青年が私を見ると、駆け寄ってきた。

「おい。俺と同じ歳位の奴、見なかったか?」

恐らく、修平の事だろう。

「見てない」

そう言って、私は肩に掛けていた鞄から、注射器を取り出した。

中には私が、独自で開発した毒が入っている。

「は? 何、その注射器。気持ち悪い格好しやがって。何なんだよ、お前」

「殺し屋・殺愛」

「……冗談言うなよ、気味悪ィ」

「冗談かどうかは、あの世で確かめなさい」

——チクッ——。

私は、隙をついて雄助の首元に注射を打った。

とたんに、雄助はパタリと橋に倒れ込みバタバタともがき始めた。

この毒は、まず最初に声帯を殺る。

大声なんて出されたら、迷惑そのものだ。

このまま放っておけば、後5分足らずで死ぬだろう。

「……1時、33分……」

時計を見て、私はそう呟くと歩いて、家に戻った。

これが、私の仕事、殺し屋だ。


一話:仕事 [終]