ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: トイレの加奈子さん ( No.1 )
日時: 2009/11/11 09:54
名前: りんご (ID: 44GDRR0m)

#0『ちょっとしたプロローグ?』


「きゃぁぁあああ!!!!出たぁぁあああ!!!」

「ちょっと、待ってよ雪!!もうあんたなんか友達じゃないわよーっ!!助けてぇぇえええ!!!!」




わめきながら走っていく女の子たち・・・・・・・。



「ふふっ、また大成功♪今日で何人目かしら?」

・・・———トイレのカナコさん———・・・

それは、昔この学校のトイレで亡くなったと言われている少女の幽霊・・・・・・!

ずっとさまよっていて、生徒(女子トイレだから女子だけ)をおどかしている幽霊———・・・・・・。



————・・・・・・なんていうのは、うその話!

わたしの作り話。


イタズラ半分でわたしが作った、このお話・・・・・・。

これを広めたら、み〜んなその気になっちゃって。

ちょっとトイレでおどかしたら、みんな逃げちゃうの。

今では、都市でも知られる、『トイレの加奈子さん』。わたしって、なかなかすごいでしょう?


「ちょっと・・・・・・いい加減にしたら?加奈子・・・・・・」

「わっ!?由美———!?」


ため息混じりの声でわたしの後ろにいたのは、わたしの友達の由美だ。


「も〜、おどかさないでよ〜!ビックリするじゃない!」

「よく言えたもんね!!毎日のようにトイレでおばけごっこなんてして・・・・・・。
あんたのせいで、どんだけの人がメーワクしてると思ってるの?
こないだも、3組の叶ちゃんが転校したばっかりじゃないっ!」

「なに?それがわたしのせいだとでも———「言うわよ。あんたにおどかされて、転校したんじゃない。———あんたは分かってないみたいだけどねぇ、そういう子、少なくはないわよ」

「ふーん・・・・・・」

「もうそろそろで6年生なんだから・・・・・・。しっかりしなよね?あと1年で卒業なんだから」


「うん——————」








こんなふうに、していられるのも、幸せだったんだと、今になって思う。


———まさか、この1年で、あんな恐ろしい目に会うなんて———


わたしの、最悪の一年が、もうすこしで始まる———・・・・・・!!!