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Re: 〜ワンボーイ〜登場人物2更新♪ ( No.14 )
日時: 2009/11/28 11:34
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

♯5    四大天使

翌日.......

優と美保は学校を終え、再びセーモへと訪れた。
「来たのは良いけど・・・どうする?」
「と、とりあえず中入ろう。」
優と美保は重い足取りで会社の中へと入った。
「よぉ!!新入り!!」
ロビーへと足を踏み入れた瞬間、2人の目の前に突然アフロの男が現れた。
黒いスーツにサングラス、右目の下には黄色の星がある。
「え・・・?あ・・・・」
2人はどうリアクションをとればいいか分からない。
「俺はこの会社に勤めるフレッカー・ゴールドバーグ。社長が呼んでるから、ついて来い。」
フレッカーはそう言うと、振り向きエレベーターの方へ向かって行った。
「・・・・行こう。」
優は美保の顔を見る。美保は頷いた。
二人はフレッカーとともにエレベーターの中へと入った。
「昨日は地下だったが、今日は最上階の10階だ。」
「あの、あなたは・・・・社員ですか?」
美保の質問に、フレッカーは大声で笑う。
「おう!!ここの幹部だ。見えねえだろ?」
フレッカーは微笑み、優と美保の方を見る。
「優君と美保ちゃん。君らのことは聞いてる。今日は緊張を持って社長の話を聞くんだ。君らの人生にも関わることだからな」
フレッカーが言い終わったと同時に、エレベーターが開く。
赤い絨毯が敷かれた廊下を歩き、10階の一番奥に着いた。

‘保険会社セーモ 社長室’

「下は能力者専用。こっちは保険会社専用だ。」
フレッカーはノックもせずにドアを開く。
「社長!!連れてきたぜ!!」
社長室に入ると、中にはジブリールやルパート。社長など5〜6人が集まっていた。
「こんにちは。優君、美保ちゃん。フレッカーありがとう。」
2人は社長室に入ると、ゴクリと唾を飲んだ。
「まあ、とりあえずかけてくれ。」
社長はソファーに指をさし、2人に腰を降ろさせた。
「さて、単刀直入で悪いが、君らには2つ聞いてほしいことがある。」
社長は席を立ち、2人の目の前のソファーに腰を下ろす。
「まずは美保ちゃん。君には‘四大天使’というこの会社の幹部になってほしい。」
「え?」

「社長!!」

ルパートが大声を叫び社長の隣に来る。
「まだ学生だ!!」
「ホーキング・アズラエルも学生だぞ。大学生だ。」
「し、しかし・・・・・」
ルパートは悔しがりながら後ろに下がった。
「し、しだいてんし・・・って、何ですか?」
美保が質問すると、後ろからジブリール、フレッカー、一人の青年が一歩前に出た。
「四大天使は会社の幹部4人のことをそう呼んでいる。決め方は戦闘力やほかとは違う能力を持つ者を選んで決める。」
それを聞いて、美保は首をかしげた。
「わ、私は別に運動神経そこまでないし、能力は・・・」

「君の能力は他とは違う。」

社長は美保の微笑む。
「君の能力は飛行能力だが、普通の飛行能力はそのような羽は生えないんだ。我々もかなりおどろいていてな。」
社長の言葉に美保はキョトンとする。
「あれ?でも待ってください。幹部4人って、元々今は幹部3人しかいないのですか?」
優が社長に聞くと、社長はジブリールの方を見た。
「いいえ。優君、幹部は4人いたよ。でも、その内の一人は数年前、任務の途中で行方不明になったの。」
「行方・・・不明・・・・?」
優と美保は顔を合わせ、その話を真剣に聞く。
「ホドル・ラファエルという男は‘四大天使’の中でも最強だった。でも、5年前のある任務の途中で、行方が途絶えた。ホドルは力もあったし、能力は怪力という能力を持っていたから誘拐などという視線では見なかった。数日経っても帰ってこない。私たちは不審に思い、任務で訪れていた村の辺りを探したんだけど、見つからなくて・・・・」
ジブリールはつらそうに後ろに下がった。
「君には少しの間、四大天使の一人になってほしいんだ。」
「・・・・分かりました。私はかまいません」
美保は笑顔で言った。
社長はその言葉を聞いて一息ついた。
「そうか。すまないね。」
社長はそう言うと、次は優の方を見た。
「もう一つの話だが、そこまで長くない。優君、美保ちゃんをしっかり見守ってやれ。」
「は、はい。」
優は力強くうなずく。
「学校や家でも能力は使うな。バレた時は最悪な事態を招くからな。」
優と美保は社長と目を合わせてうなずいた。
「これで話は終わりだ。今日はとりあえず帰りなさい。」
「はい。それじゃあ。」
優と美保は社長室を後にした。


**********


一方、保険会社‘セーモ’前


建物の裏に隠れている栄治と丸吉は保険会社を睨んでいた。
「くそっ!!昨日は危なかったな」
「う、うん。もう少しで殺されそうだったよ。」
丸吉は怯えながら言う。
「復讐してやる。この力を使えば奴らなんて・・・ん?」
栄治は出入り口から出てくる優と美保に目を向けた。
「あいつら、あの制服は帝国中の・・・。なんでこんな所に・・・」
栄治は少しの間、2人を見つめる。
すると、ニヤリと笑みを浮かべた。
「いいこと思いついた。丸吉、行くぞ。」
そして、2人は闇の中へと消えた。