ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 〜ワンボーイ〜5話更新♪オリキャラ募集中♪ ( No.17 )
日時: 2009/11/30 17:26
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

♯6    奇襲

翌日、優と美保は2ー1の教室にいた
「この能力、授業中とかに勝手に起きたらどうしよう・・・・」
「大丈夫でしょ。マリーさんも力を入れなければ能力は発動できないって言ってたし。」
優は納得いかず、窓から外を見る。
正門から生徒が次々と入ってきている。

「よ!おはようさん。」

2人の隣には関西生まれの敦志が立っていた。
「敦志、おはよう。」
「優、桜井、テスト勉強したか?」
「テスト?」
美保と優は首をかしげて敦志の方を見る。
「お、お前ら!!今日のテスト今学期に響くで。」
「・・・・・あっ!!!」
優は大声を出してその場から立ちあがった。
最近の突然の出来事の積み重ねでテストのことなんかすっかり忘れていた優と美保。
「しまったぁぁぁぁ〜。」
優は机にうつ伏せとなる。
「桜井は勉強せんでも頭ええからな。優はやばいんちゃうか?」
「どうしよ・・・・」
優は冷や汗をかきながら、テストをあきらめた。

**********

帝国中学校 1階 職員室前

黒い帽子にひざまである黒いコートを着た男が職員室の前で立っていた。
「あの〜ぉ、どうかなさいましたか?」
一人の女性職員が話しかける。
「用事があって少しですね・・・・」
「ちょっと待っててください。」
女性職員は不審な目で男を見ながら職員室に戻った。
数分経ち、一人の体つきのいい男が女性職員と出てきた。
「用件は何でしょうか?」
「ちっ。用件だぁぁぁ〜?この学校を壊しに来たんだよ!!!」
男は両手を前にやり、ものすごい炎を手から出す。
「え?」
二人の職員は一瞬で炎の中に消し飛ぶ。一階は炎で包まれた。
「さてと、行こうかな。」
傘橋栄治はそう言うと、不気味な笑みを浮かべて足を進めた。

*********

帝国中学校A棟 2階 2−1の教室

帝国中学校はA棟B棟に分かれており、A棟は2年、B棟は1年と3年。その他の教室はすべてB棟にある。
A棟とB棟はともに4階建で、2階と4階に2つの塔を繋ぐ渡り廊下が架かっている。

「テスト始め!」
2-1の担任、荒川和徳の号令でテストが始まる。
最初は国語。
「やべぇ〜よぉ〜」
優は一問目からすでに脱落。
「らっくしょう♪」
美保はスラスラと問題を解いていく。
「美保はいいな。後頭いいのは、赤薔薇や零原かな。」
優の前に座っている赤薔薇魔琴は美保より問題を解いていくのが早い。
一番前の真ん中に座っている零原大和も次々と解いていっている。
優はそんなみんなの姿を見てあきらめていた。
ふと、外の景色を見る。
大通りを車が行きかい、色々な人々が道を歩いている。
優は自分の手に視線を戻し、少しだけ力を入れた。
すると、人差し指の先から小さな火の玉が出来上がる。
その時だった。


ジリリリリリ!!!!


突然火災報知機が鳴り始めた。
「に、にげて!!生徒は早く逃げてください!!」
スピーカーから聞こえる男性職員の声。様子がおかしい。
「にげ・・・にげて・・・・ぎゃああああ!!!」
男性職員の悲鳴でスピーカーのスイッチの音が切れる音がした。
教室は突然の出来事に静まり返る。
「お前たち、待ってろ。」
荒川は冷静に言うと、教室を出ていく。  
生徒たちは先生の命令を無視して廊下に飛び出した。
「優!!」
美保と優、敦志も廊下に出た。
廊下には生徒がたまって窓の外を見ている。
優たちも窓から向かいのB棟を見た。
すると、B棟は無残な姿に変貌していた。
1階から3階は炎に包まれ、B棟全体が黒い煙に覆われている。
「うわ・・・・」
美保はその光景を見て唖然とする。
「やばくね?あれ。何があったんや?」
全員が口をあんぐりと開けて驚いている。
「と、とりあえず!!逃げた方がよくね?」
一人の男子生徒が‘ある’場所を指差しながら言った。
その方向を見上げると、4階の渡り廊下から火の手がA棟に移ろうとしていた。
「き、きゃあああああ!!!!」
一人の女子生徒の悲鳴とともに、廊下にいた生徒が一階へと目指す。
廊下は混雑状態。悲鳴や泣き声が聞こえる。
「優!!桜井!!こっちや!!」
敦志の声で2人は教室に戻る。
それにつられて赤薔薇と零原、本庄椎奈も入ってきた。
「だ、大丈夫!?」
優は美保に問いかける。
「私は大丈夫。ほかの人は?」
優と美保はほかの生徒を見わたす。
どうやら怪我人はいないようだ。
「早く逃げないと!!」と椎奈がパニック状態になる。
「もう・・・無理っぽい・・・・」
零原が廊下を見ながら言った。
全員が廊下を見ると、廊下にはすでに火の手が回っていた。
「やばいよぉ・・・・」
椎奈は泣きながら美保の後ろに行く。
「確かにやばいな・・・。逃げ場がない。」
「消防隊まだだよね?」
「2階だけど、飛び降りれないからな。」
6人にジワジワと死の手が伸びている。

**********

「丸吉、作戦は実行した。お前はA棟を頼む。」
傘橋は安全な2階の渡り廊下で携帯の電源を切る。
「あのクラスか・・・・今行くぜ・・・」
栄治はそう言うと、不気味に笑いながら足を進めた。