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Re: 〜ワンボーイ〜9話更新♪第2章突入間近!! ( No.23 )
日時: 2009/12/10 16:43
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

♯10    世界征服

東京都 東京湾

夜中の東京湾にある港から大型の船が出港した。
色は黒で白いラインが入っているシンプルな大型船。
「さて、傘橋さんに田中さん。」
船の廊下を歩く栄治と丸吉。前には助けてくれた青髪の青年。
「それより、この船はどこに向かっている?」
「海外。あなた達を助けるために。」
「な、なんでそこまで・・・・」
丸吉が聞くと、青年は振り向き笑顔で言う。
「あなた方の力が要ります。とりあえずついてきてください。ボスに会わせます。」
青年はその場で止まり、とある部屋のドアをノックする。
「ミスターⅩ、彼らを連れてきました。」
「入れ。」
ドアの向こうから男性の声が返ってくる。
青年はドアを開け、2人を部屋に入れる。
「どうぞ。」
中には一人の若い男性に隣にはシルクハットにスーツというマジシャンのような男がいた。
「彼らが傘橋さん、田中さんです。」
青年が言うと、男は立ち上がり2人の前に来る。

「我々の仲間になるか?」

男の言葉に栄治は首をかしげ悩む。
「仲間?テロリスト集団だろ?一体何が目的だ?」

「世界征服」

男の言葉に栄治と丸吉は目を丸くした。
「へぇ。奇遇だな。俺らもそうだ。」
「手を組むか?傘橋栄治に田中丸吉。まぁ、指揮は私がだすけどね。」
「いいだろ。命の恩人だしな。」
男は笑顔で席に戻り座る。
「改めて、私は能力者テロリスト集団‘デミウルゴス’のボス。ミスターⅩと呼んでくれ。」
「・・・・分かった。あんたのためにも自分のためにも頑張るぜ。」
ミスターⅩは青年に声をかける。
「ヴィン、2人を部屋に。」
「了解。」
青年、ヴィン・スチュワートは2人を連れて部屋から出ていった。

ミスターⅩとマジシャンのような姿をした男は顔を合わせる。
「ミスターⅩ。本当に信用してよろしいのですか?」
「何をだ?スマイス・ステッドマン?」
ミスターⅩがスマイスに尋ねる。
「あの男らは何を仕出かすか分かりません。特に、傘橋栄治という男。」
「大丈夫だ。そんなに気になるなら見張っておけ。」
「・・・・了解。」
スマイスは頭を下げると部屋から出ていった。


***********


翌日

病院を退院した美保は優と崩壊した帝国中学校の前にいた。
今はブルーシートで覆われてどうなっているのか見えない。
「優、これからどうなるのかな?」
「さぁ・・・。あっ!!」
優の目にこちらに向かって歩いてくる担任の荒川がいた。
しかし、荒川の表情はとても悪く、優と美保に気がついても表情は変わらない。
「どうしたんですか?」
「あ、あぁ。最悪な事態だ。今、教育員会の方で決まった。」
荒川はそう言うと、持っていた鞄の中から資料を取りだす。
「電話で言おうと思ったが、直接の方がいいよな?」
「え?あ、はい。」
優と美保は顔を合わして首を傾げる。
「いいか?心して聞いてくれ。帝国中学校の職員、生徒は近くの中学校への移動が決まった。移動の仕方は成績などで決め、桜井は千葉に転校。神宮は北海道だ。」

「え!?」

二人はそのことを聞いて唖然とする。
「い、移動!?」
「ついさっき決まった。引っ越し代やその他諸々はこちらがする。残念だが、お前たちはこれからバラバラとなる。」
美保は優の顔を見る。
「優・・・。そんな!!」
「うそでしょ?変更できないのですか?」
「無理だ。反強制的だからな。お前のほかにも品川と俺に赤薔薇も北海道だ。」
荒川がそう言うが、優は何も聞いてない。
「ど、どうしよう・・・?」
「なにが?」
荒川が聞いた瞬間に、優は美保を引っ張り先生から遠ざける。
「な、なに?」
美保も何が何だか分からず聞き返す。
「保険会社!!マリーさん達になんて言えばいいの?」
「あ・・・。」
その瞬間、2人の動きが止まる。

どうなる?優と美保の人生_____

第1章   終了!!




第2章  
♯11    『裏切り』

保険会社‘セーモ’駐車場

『様子はどうだ?』
携帯の向こうから聞こえるミスターⅩの声。
携帯を持っている人物自体は影で顔が見えない。
『今のところは大きな変化はない。これからどうすればいい?』
『とりあえずばれるな。お前はスパイなのだからな。君には期待してるぞ。』
そう言うと、携帯の電源は切れた。
「もうすぐで、すべてが終わるのか・・・。」
謎の人物はそう言うと、保険会社の中へと姿を消した。