ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 〜ワンボーイ〜 ( No.3 )
- 日時: 2009/11/11 16:40
- 名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)
♯0 プロローグ
あなたは今の人生を楽しめてますか?
この物語は一人の少年の人生を描いたもの。
**********
北海道 某日
北海道の秋はすでに冬寒く、雪が街の上からやってくる。
「寒いな〜ぁ。一杯どうすか?」
「おっ!いいねぇ〜。」
大通りを歩くサラリーマンは会話をしながら雪が積もる道を歩く。
その時だった。
パッ!!
夜空が一瞬で青くなり、まるで朝のような景色となった。
歩いていたサラリーマンや一般市民は突然の出来事に空を見上げる。
「な、なんだ!?」
「部長!!空見てください!!」
サラリーマンは指をさして空を見上げる。
青い空の中心に、何か燃えているものがある。
太陽ではない、別の何か・・・・
‘それ’は徐々に徐々に北海道の地に近づく。
「あ、あ、そ、そんな!!!!」
人々は空を見て愕然とした。
一つの隕石が北海道めがけて飛んでくる。
「部長・・・・」
「そんな・・・・・」
そして、隕石は北海道に激突した。
**********
東京都 世田谷区
「昨夜、北海道に謎の隕石が衝突。死者は数万人。北海道は壊滅状態に陥っております。」
テレビを見ながらパンを食べるこの物語の主人公、神宮優。
成績普通、運動神経普通。‘超’がつくほどの普通だ。
「優、学校遅刻するぞ。」
父親の裕次郎は玄関で優に呼びかける。
「分かった!!母さん行ってきま〜す!!」
優が玄関に向かうとすでに母の恵がエプロン姿で立っていた。
「優、あなた。行ってらっしゃい」
「おう、行ってくる。」
「行ってきます!!」
2人は恵に手を振り、元気よく家を出た。
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「待て!!」
優の平和な生活とは裏腹に、青森県にある刑務所から脱走した男二人がいた。
「急げ!!丸吉!!」
坊主に青と白の縞模様の服を着た男がもう一人の男に呼びかける。
もう一人は服装は同じだが、体形は小太りで髪が肩まであるオタクのような姿をしている。
2人は北海道に隕石が落ちた時に逃亡した犯罪者。
一人は傘橋栄治。小太りの名前は田中丸吉。
二人とも殺人犯で数年青森の刑務所で生活していた。
「道に出んぞ!!丸吉走れ!!」
二人は森林から抜けると、裸足で車の通りが少ない道に出た。
海岸沿いの道だ。
2人の目の前には朝日ときれいな海が広がる。
しかしそんなことを言ってる場合ではない。
「待て!!止まるんだ!!」
犬の叫び声と看守の声が二人に近づく。
その時だった。
「丸吉!!あれに乗れ!!」
傘橋は道のわきに止まっていた大型トラックに指をさす。
「わ、分かった!!」
丸吉はふらふらの足でトラックの積み荷へと隠れる。
傘橋が積み荷に駆け込んだ瞬間にトラックは動き始めた。
「よし。グットタイミングだ。」
2人は積まれている段ボールに背中を預け息を整える。
しかし危なかった。本当にやばい。
「栄治、このトラックどこに向かってんだ?」
「知るかよ。荷物の宛先でも見てみろ。」
栄治が冷たく言うと、丸吉は渋々荷物を見た。
「東京・・・世田谷区・・・帝国中学校ってとこ行きだ。」
丸吉は栄治に言う。
「東京か、いいじゃんか。」
2人を乗せた車は、東京へと向かいつつあった。