ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 〜ワンボーイ〜登場人物うp ( No.8 )
- 日時: 2009/11/19 14:55
- 名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)
♯1 異変
帝国中学校 放課後.....
「今日もやっと終わった・・・・」
優はため息をつくと、鞄を持って教室を出た。
今日も普通。これといったこともなかった。
優が靴箱に着くと、後ろから優の肩を誰かが叩いた。
「優♪元気ないじゃん?」
「そう?いつも通りだけど?」
「一緒帰ろう。」
優と会話をしているのは同じクラスの女子、桜井美保。
優の幼馴染で一番の親友だ。
2人は靴をはき、門まで歩く。
「今日さぁ、先生おもしろかったよね?」
「あぁ。帰りの会?先生の話おもしろいからね。」
2人はそんな日常の事を話しながら門を抜けた。
その時だった。
「うっ・・・・」
優の隣にいた美保が頭を抱えてその場にひざをついた。
「美保!?」
優は慌てて美保に駆け寄る。
「なにこれ・・・・。めっちゃ痛い・・・・・」
「え?うぐっ!!」
美保が呻いていると、次に優に謎の頭痛がきた。
「あ・・・が・・・・・・」
優はその場に倒れ、美保もその場に倒れた。
「いた・・・い・・・・・・」
優はその言葉を最後に、そのまま気を失った。
**********
「おーい。大丈夫か?」
優が目を開けると、目の前に見覚えのある男子がいた。
「敦志・・・・」
「お前に、桜井。門で倒れたんやて?どないしたんや?」
優のクラスメイト、品川敦志は独特な関西語で優に話す。
「美保は?」
「隣でぐっすり寝てる。何があったんや?」
優はその言葉で倒れる前の自分がフラッシュバックで蘇る。
「ものすごい頭痛で、美保が倒れて。そのあとは僕も・・・・」
「頭痛ぅ?」
敦志は首をかしげた。
「そんなにすごい頭痛なんか?」
「やばかったよ。頭が割れそうだった。」
優と敦志が話していると、目の前に保健室の先生が現れた。
「品川君は帰っていいわよ。後は私が見るわ。」
保険医の早川鈴は敦志にそう言う。
「分かりました。じゃ、優。お大事にな!!」
「あぁ。」
敦志は優の肩を叩くと保健室から出て行った。
「神宮君。頭痛は大丈夫?」
「はい・・・。」
「頭痛で気絶するのは何かの病気かもしれないし、今日中に病院に行った方がいいわよ。」
「分かりました。」
「まだ寝てていいから、気分が良くなったら帰りなさい。」
早川はそう言うと、保健室から出ていった。
優は一息つくと、天井を見つめてつぶやく。
「なんだったんだろうな・・・・」
優は天井に向かって手を伸ばす。
その時だった。
ボォォォォォォォ!!!!!!
「は!?」
優の手のひらから真っ赤な炎が上がる。
優は大慌ててベットから逃げ、自分の手を見る。
熱くはなかった。さっきのはなんだ!?
優は恐る恐るもう一度、左手を天井にかざす。
すると、ものすごい炎が優の手から噴き出す。
「うわぁ!?」
「な、なに!?」
優の叫び声で美保が飛び起きる。
「なんだよこれ!?どうなってんだ!?」
優は頭がパニック状態。
「なにがあったの?」
美保は冷静に優に聞く。
「手から火が・・・火が・・・・!!」
美保は優の両手掴み、手のひらを見る。
しかし、どこにも焦げた跡や熱さもない。
「もう一回出せる?」
「わ、分からない。」
しかし、優は手のひらを下に向けて手に少しだけ力を込めた。
すると、ほんの少しだけ手のひらに炎の球が出来た。
「うっそ・・・・・・」
美保は手のひらか出ている炎を見て唖然とする。
「ど、ど、どうなってんの?」
「手のひらから直接は出てない。でも、手のひらギリギリから出てる。」
美保は炎を見つめながら言う。
「熱くないの?」
「ぜ、全然。」
優はそう言うと、両手を閉じた。
「どうなってんだよ。これ。」
「分からない。とりあえず、保健室だよね?ここ。」
「うん。」
「学校から出て、もう少し広い場所で試そう。」
優は美保の言葉に驚く。
「試す!?」
「気にならないの?そんなことできて。」
「い、いや。気になるけど。」
「じゃあ行こう♪」
美保はそう言うと、優の手を引っ張り教室を出た。