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Re: +.*Wing of the Dark moon*.+ ( No.8 )
日時: 2009/11/20 18:52
名前: b'`*)ノ桜姫⌒゜* ◆hjAE94JkIU (ID: 7ufWM2y7)
参照: http://www.doumori.com/bbs_talk/show.php?kiji_id=332573

3話 紅月館

銀髪の少女に手を取られ、歩くこと数分。

少女がいきなり立ち止まった。

無言で上を見上げる少女につられて珠亜も上を見上げる。


そこにあったのは……

月光を浴びて闇の中に聳え立つ館……。

思わず館に見入っていると、館から紫色の髪の一人の少年が現れた。

身なりはよく、服装もきちんとされている。

道端を歩いていたら10人が全員振り返りそうな位美形だと思う。

少年は珠亜と銀髪の少女をチラッと眺めるとポツリと呟いた。

「客……? 朱音さんに……? あ、どうぞこちらへ」

少年はそう言うと踵を返し館へと戻っていく。

銀髪の少女も無言でそれについていき、館へと向かう。

「ギィィ……ィ」

館の玄関のドアが軋んだ音を立てる。

館の中は紅い炎が灯された蝋燭がいくつもおかれ、幻想的な雰囲気を醸し出していた。

館の壁には様々な絵画が飾られていたり、珠亜の身長程もある大きな甲冑があった。

すると一際豪華な扉が目に入った。

先を歩いていた少年が静かにドアをノックする。

そして少年は静かに呟いた。

「朱音さん……この人たちは……」

少年は扉越しにドア越しで言った。

すると、部屋から声が響いた。

「お客よ」

それを聞いて少年は一歩後ろに下がった。

少年が後ろに下がると同時に、ドアが音もなく開いた。

「……待っていたわ」

部屋から、凛とした声が響き渡った。